
論語詳解000『論語』を詳しく読む前に
論語詳解001学而篇第一(1)学びて時に
中国を好くにせよ、嫌うにせよ、より明らかに知ることは、いいことだ。My journey has to go on with you.
読者諸賢へ:
訳文や原文の真贋判定を含め、全ての記述は暫定的であることにご留意下さい。研究の宿命として、勘違いや調査不足により、また一からやり直しの繰り返しだからです。誤りにお気づきの方は、是非ともご教示下さい。
論語詳解001学而篇第一(1)学びて時に
論語学而篇(1)要約:孔子塾の入塾心得。復習を強要するお説教ではなく、体で技術を習得する楽しさと、身分や出身で差別してはいけない、差別は自分の自信のなさからという、現代にも通用する当たり前の教えでした。
論語学而篇(2)要約:後世の偽作。実在も怪しい弟子の有若ユウジャクのお説教。論語をつまらなくし、昔から読者のやる気を削いできた罪な一節。ああそうですか、と聞き流せばよいお話で、実は発言者当人もよく意味が分かっていないかも。
論語学而篇(3)要約:論語で最高の道徳とされる仁の情け。せっかくの思いやりも、作り笑顔と猫なで声で見せつけられては、インチキ臭さがプンプン臭います。従来は別の解釈がされましたが、「鮮」とは”なまぐさい”ことでした。
論語学而篇(4)要約:後世の偽作。孔子先生に名指しでウスノロ呼ばわりされた曽子は、他人に道徳をお説教したがる迷惑な人でした。ああそうですか、と聞き流せばいいお説教で、普通の現代人にはできもしないサド話。
論語学而篇(5)要約:古代人としての限界から、孔子先生には信頼獲得と倹約と、農業の邪魔をしないことしか経済政策がありませんでした。ところが後世の帝国儒者は、それをいい事に少しも経済政策を改善しようとはしませんでした。
論語学而篇(6)要約:孔子先生は、年下は年下らしく振る舞って年長者に気に入られ、学問より人格を磨け、とはいったでしょうが、愛を説きませんでした。愛という言葉が、論語の時代にはなかったからです。
論語学而篇(7)要約:孔子一門きってのカタブツ、文学青年子夏くんの青年の主張。孔子先生から見れば微笑ましい血気盛んな演説ですが、現代人もまた大人の目線で、子夏くんの主張を聞いてあげましょう。意外にいい事言っています。
論語学而篇(8)要約:人前では偉そうにしていろ。なめられるぞ。馬鹿とは付き合うな。馬鹿がうつるぞ、と孔子先生。しかし先生の言葉とは思えません。道徳的にではなくて、史実の孔子塾で、差別を煽れば血の雨が降るからです。
論語学而篇(9)要約:ウスノロな曽子くん、孟子のパペットとしておかしな事を言わされています。葬儀や法事を派手にやると、民がおとなしくなると言うのです。これ全て、孟子が自分と手下を食わせるためのうそデタラメでした。
論語学而篇(10)要約:孔子先生は理想政治の実現を求めて、中国各地を放浪しました。しかし若い弟子には、官職ほしさの欲張りじいさんに思えます。それをコラッ!と兄弟子の子貢が、若さゆえの視野の狭さをたしなめるお話。
論語学而篇(11)要約:孔子先生が世の親たちをたしなめるお話。孝行して貰いたかったら、して貰えるような親になれ、と。先生は孝行を説きません。儒教が孝行を言い出したのはずっとのちの時代、それも就職のためのウソ八百でした。
論語学而篇(12)要約:ボンクラ有若が、若い弟弟子を前にお説教。ああすればいいかな、こうすればいいかな、と言葉をのたくったあげく、答えはなし。大したことは言っていません。読み飛ばしても構わないお話。
論語学而篇(13)要約:ボンクラ有若が、またもやお説教。当たり前の事をもったい付けて話したがるのは、自信のなさの表れでもあって。孔子先生の直弟子だからと言って、有り難がる必要は必ずしも無い、というお話。
論語学而篇(14)要約:孔子先生がぶったとされるアジ演説。でも言ってる言葉が新しすぎます。要するに後世の儒者が、自分らをもっと優遇しろと、世間に向かって言いたい宣伝を、勝手に孔子先生の口を借りて言ったのでした。
論語学而篇(15)要約:弟子一番のお金持ち、子貢が、弟子一番の出来物、顔回との比較を先生に問う話。しかし「お前は所詮小金持ちだ」とぺしゃんこにされてしまいます。孔子先生は落ち込んだ子貢を、また持ち上げ励ましたのでした。
論語学而篇(16)要約:人は人、自分は自分。でも無礼な奴には腹が立つ。孔子先生はそう言ったのでしょうか。伝統的には、理解者がいないと嘆かず、自分が理解者にならなければならない、と読まれてきた一節。そしてそもそも本章は…。
論語為政篇(1)要約:誰でも札束を前にしたら、みんな同じ顔になります。孔子先生は政治の要点を、利益誘導だと分かっていました。それを道徳で治めるとか、わけの分からない解釈をするから、論語はわかりにくくなってしまいました。
論語為政篇(2)要約:孔子先生は詩人でもあります。詩は本の少ない古代では、人々にカッコイイものの言い方や、先祖の物語を教える大事なツールでした。それをまとめて本にした孔子先生が、仕事を終えてつぶやいた一言。
論語為政篇(3)要約:意外にも孔子先生は、政治家としては厳罰主義で死刑もためらいませんでした。しかしその結果どうなったか? 本当なら犯罪のない社会を作るべきだった。そういう反省を込めた、孔子先生、いや儒者官僚の司法論。
論語為政篇(4)要約:若いうちから勉強しろ! そういうゑすMチックなお説教として有名なお話。でも孔子先生がそうできたのは、地獄のような身分差別から抜け出すためでした。生涯を終える直前に、自分の人生を振り返った言葉。
論語為政篇(5)要約:成り上がり者の孔子先生は、門閥貴族と時には激しく争い、時には手を携えて政治に取り組みました。かつて色々あった門閥貴族の一人・孟懿子と、最晩年になって語り合う時、言葉はほとんど要らなかったのでした。
論語為政篇(6)要約:孔子先生の最晩年。政界にも若い貴族が育っています。老人には老人にしかできない役割がある。政界の盟友に息子の教育を託され、孔子先生は若者に政治論を語るでなく、ただただ親の思いを伝えたのでした。
論語為政篇(7)要約:子游はのちに冠婚葬祭業者の大親分になった、孔子先生の若い弟子。親孝行を問われた先生は、カタチも大事だがココロも大事じゃよと、本当に愛情の通い合う孝行の道を、分かりやすいたとえで説いたのでした。
論語為政篇(8)要約:弟子一番のカタブツ、子夏が親孝行を質問します。孔子先生はここでも、カタチよりココロが大事じゃよと教えます。それは半面、若者に仕事を押し付け甘い汁を吸いたがる、中年老年への批判でもありました。
論語為政篇(9)要約:弟子の中でも顔回は、奇蹟のような人でした。孔子先生を本当に理解したのは、前にも後にも顔回しかいませんでした。そんな顔回の私生活を観察した先生は、自己修養を苦痛ではなく喜びとする顔回に驚いたのでした。
論語為政篇(10)要約:「あの人の心が分からない。」古今東西変わらぬ若者の悩み。しかし我欲を取り払い、素直に相手を観察すれば、本心など丸わかりじゃよ、と孔子先生。若き日の自分に語ってやりたい、今日でも通用するお話。
論語為政篇(11)要約:古びた講義ノートを何十年も繰り返す。そんな奴は教師じゃないよ、と孔子先生。身分制社会の春秋時代に、驚愕すべき出世を遂げた先生は、教師でありながら革命家でもありました。古いガラクタは処分処分。
論語為政篇(12)要約:人間を奴隷にするのを孔子先生は嫌いました。とりわけ弟子たちに対しては、お金の奴隷、権力の奴隷、道徳の奴隷になるなと励まします。自分で考え自分で行動する、そうした大切さを語ったお話。
論語為政篇(13)要約:為政者が嘘をついても、ころころと政策を変えても民は迷惑します。君子たる者、自分の行動が多くの人の生活を左右するのだ、その自覚が無くてはただの暴君。そうなってはならぬと孔子先生は子貢に教えます。
論語為政篇(14)要約:貴族に必須の要素とは。その基本は自信でしょう。でないと庶民の前に出て、いかにも頼りなげに見え、仕事がうまく行きません。しかしそもそも貴族とは、心と体を鍛えて、自分に自信があるものだ、と孔子先生。
論語為政篇(15)要約:本の虫はロボット同然。でも自分の思いさえあれば、勉強は要らないわけではない。それではテロリストになってしまう、突っ走っても最後には破滅が待っている。若い弟子にはぐさりと来た、孔子先生のお説教。
論語為政篇(16)要約:他人の正義を責めている間は、いつまでたっても一人前とは言いがたい。この世には人の数だけ正義がある、でも若い弟子にはまだわからない。だから、反論は損になるだけだよ、と先生は説いたのでした。
論語為政篇(17)要約:誰だって見栄を張りたい時はあるもの。しかし事実の裏付けがなければ、見栄はいずれバレてしまうし、その時の恥ずかしさはたまらない。そうはさせじと頑張るほど、苦しくなるばかりじゃよと孔子先生。
論語為政篇(18)要約:公務員予備校でもあった孔子塾。若い子張は就職マニュアルに首っ引き。しかし孔子先生の見るところ、子張くんは役人には向いていません。真っ直ぐそれを言わないで、とりあえずは内定のコツを教えたのでした。
論語為政篇(19)要約:晩年の孔子先生。若殿から政治の秘訣を聞かれます。「民が言う事を聞かないのじゃ! どうすれば…。」しかし特効薬などありません。地道にまじめな者を昇進させなさいと、孔子先生は教えたのでした。
論語為政篇(20)要約:「領民がいう事を聞かなくて困る。」若家老が嘆きます。聞いた孔子先生は、「頼りがい」を身に付けることを教えました。血統や身分だけではもう民は従わない。激動の春秋時代末期ならではの政治論。
論語為政篇(21)要約:最晩年の孔子先生。政治の第一線からはすでに引退。しかし先生を焚き付ける者が出ます。花も嵐も、政治の荒波はとっくに何度も乗り越えた。そんな先生は古典を引いて、焚き付け者をはぐらかしたのでした。
論語為政篇(22)要約:嘘つきは良くない。ブッダもイエスもムハンマドもそう教えました。孔子先生も同様で、嘘つきはどこまでウソなのかも分からない。これでは人間関係を構築しようがないという、今日でも通用するお話。
論語為政篇(23)要約:遠い未来が分かるのか? 孔子先生はその答えを過去の歴史に求めました。同じ人間が作る社会である以上、そんなには変わらないだろう。そして時代の要請に、沿った形に社会は変わるだろう。そんなお話。
論語為政篇(24)要約:我が家の大事な仏様。でもよそ様にとっては赤の他人。なのに拝む振りをするなら、何かたくらんでいると見た方がいい。それより本当に自分がすべき事に集中しよう。正義の味方になるのも悪くない。そんなお話。
論語八佾篇(1)要約:家老どもが思い上がった舞を舞わせた!と孔子先生が怒ったという儒者のでっち上げ。それを言うなら、底辺から宰相に出世した先生自身が思い上がりです。先生は革命家であっても、因習ジジイではありませんでした。
論語八佾篇(2)要約:孔子先生の魯国では、殿様はもはや形ばかり、門閥家老三家=三桓が、実権を握っていました。その力に驕った三家は、家老身分に許されぬ音楽を奏で、それを孔子先生が激怒して、口を極めて非難した、という作り話。
論語八佾篇(3)要約:孔子塾は庶民が貴族に成り上がるための学び舎です。学ぶあれこれは、全て貴族らしい教養を身につけるためでした。弟子にとっては生活がかかっており、ただの習い事ではありません。先生にとっても同じでした。
論語八佾篇(4)要約:心のないお作法は見せ物、孔子先生はそう思いました。だからお作法の奥義を問われて、めでたい事には心から祝い、人が亡くなれば心から悲しむ事だと教えました。派手な飾りや仕草より、心が人を和ませるのだよと。
論語八佾篇(5)要約:孔子先生は古代人で、生まれた中華の文明を世界最高だと信じて疑いません。ですから周辺民族を野蛮人だと思っていました。現代の感覚では差別になることでも、当時は非難どころか賞賛の対象でもあったのです。
論語八佾篇(6)要約:門閥家老家の若様が、聖なるお山に出かけました。孔子先生にとっては潜在的な政敵ではあっても、将来の魯国を担う人材には違い有りません。遭難を恐れた先生は、その身を案じて止めようとして…というお話。
論語八佾篇(7)要約:孔子先生は武術の達人。中でも弓術は塾の必須科目に入っていました。君子=貴族は戦時には出陣せねばならず、貴族に成り上がるには必須の教養だったからです。しかしその技術にも、やはり心は必要なのでした。
論語八佾篇(8)要約:孔子一門のカタブツである子夏くん、本章では儒者の大売り出しバーゲンに引き出され、キャッチコピーを言う生き人形にされています。人間の締めくくりは礼法だ! 化粧の締めくくりが紅を差すのとおんなじだ!
論語八佾篇(9)要約:滅びたいにしえの王朝の末裔は、すっかり衰えてしまい、その文化がもう分かりません。歴史やお作法の調査が大好きな孔子先生、現地に行きましたが資料は滅びてしまいました。殺風景なもんだ、と嘆いた作り話。