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論語関連資料現代語訳

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『論語と算盤』現代語訳

『論語と算盤』:はじめに

『論語と算盤』とは 『論語と算盤』は、新一万円札の肖像になる、明治大正期に活躍した日本の実業家・渋沢栄一の講演を、弟子の梶山彬がまとめて書籍にしたもの。日本の資本主義の父と呼ばれる渋沢翁が、利殖と道徳は共に進まねばならないと痛感し、道徳の基...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(1)処世と信条1

論語と算盤は甚だ遠くして甚だ近いもの 現代語訳 現代の道徳を論じるに当たって、最も重要な書物は、孔子について門人達が書いた、論語である。この本は、誰でも大抵読むものだとは知っている。しかしここで、論語と算盤、つまり道徳と商売との釣り合いを考...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(2)処世と信条2

『論語と算盤』士魂商才 現代語訳 昔、菅原道真は和魂漢才ということを言った。これは面白いことと思う。これに対して私は、常に士魂商才を提唱する。 和魂漢才とは、まず日本人たるもの、日本特有の大和魂を基本としなければならない。しかし中国は国も古...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(3)処世と信条3

『論語と算盤』天は人を罰せず 現代語訳 孔子先生が『罪を天に獲(う)れば、禱(いの)る所なし』と仰った言葉の中にある天とは、果たして何だろうか。私は天とは天命の意味で、孔子先生もまた、この意味で天という語を用いられたと信じる。 そもそも人間...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(4)処世と信条4

『論語と算盤』人物の観察法 現代語訳 佐藤一斎先生*は、人と初めて会った時に得た印象で、その人がどうであるかを判断するのが、最も間違いのない正確な人物観察法であるとなさった。先生の書いた『言志録』の中には、「初めて会う時に人相を見れば、人物...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(5)処世と信条5

『論語と算盤』論語は万人共通の実用的教訓 現代語訳 明治六年(1873)役人を辞めて*、年来の希望である実業界に入ることになってから、論語と特別の関係が出来た。初めて商売人になるのである。色々考えた。今後はわずかな利益で世渡りをしなければな...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(6)処世と信条6

『論語と算盤』時期を待つの要あり 現代語訳 人と生れたからには、とりわけ青年時代に、絶対に争いを避けようとするような卑屈な根性では、とても進歩や発達をする見込はない。また社会の進歩にも争いが必要である事は。言うまでもない。しかし争いを無理に...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(7)処世と信条7

『論語と算盤』人は平等なるべし 現代語訳 才能の向き不向きを見分け、適材を適所に置くことは、多少なりとも人を使う者が、常に口にするし、苦心することでもある。 さらに考えると、適材を適所に置く裏には、権謀が加味されている場合がほとんどだ。自分...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(8)処世と信条8

『論語と算盤』争いの可否 現代語訳 世間には、争いを絶対に排斥し、いかなる場合でも争いはよくない、「人若し爾の右の頰を打たば、左の頰をも向けよ」などと説く者もある。こんな世間で他人と争うのは、処世上果して得だろうか、損だろうか。 これが実際...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(9)処世と信条9

『論語と算盤』大丈夫の試金石 現代語訳 真の逆境とはどのような場合をいうのか、実例に照らして一応の説明を試みたいと思う。 そもそも世の中は、順調を保って平穏無事にゆくのが普通のはずだが、水に波動のあるように、空中に風が起こるように、平静な国...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(10)処世と信条10

『論語と算盤』蟹穴主義が肝要 現代語訳 私の処世の方針としては、今日まで真心と、相手を自分の如く思う憐あわれみを貫く思想でやり通した。古来、宗教家・道徳家に大学者が沢山出て、人の道を教え真理の法を立てたが、それはつまるところ修身、つまり人格...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(11)処世と信条11

『論語と算盤』得意時代と失意時代 現代語訳 そもそも人の不幸は、多くは得意時代に芽生えるもので、得意の時は誰しも調子に乗る傾向があるから、不幸はこの欠陥に食い入る。となれば人の世に処するにはこの点に注意し、得意時代だからといって気をゆるめず...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(12)立志と学問1

『論語と算盤』精神老衰の予防法 現代語訳 以前交換教授として米国より来日されたメービー博士*が、任期を終えた帰国されるに際し、真心を傾けて私に語られたさまざまな談話の中に、下のような評がある―。 私は初めて貴国に来たから、総てのものが珍しく...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(13)立志と学問2

『論語と算盤』現在に働け 現代語訳 徳川時代の末でも、積み重なった悪習のせいで、一般の商工業者に対する教育と武士教育とは全く区別されていた。そして武士はみな、身を修め家を整える儒学の教えを基本として、自分を修養するだけでなく、他人をも治める...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(14)立志と学問3

『論語と算盤』大正維新の覚悟 現代語訳 維新とは何かといえば、殷王朝開祖の湯王の青銅器、盤(水鏡に用いる平らな器)にこう刻んである。「ひとつひとつ毎日新しく、日に日に新しく、翌日もまた新しく*」という意味だから、元気はつらつと気力を発揮し、...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(15)立志と学問4

『論語と算盤』秀吉の長所と短所 現代語訳 乱世の英雄が過去の教訓を取り入れず、何かと自分の家庭が治まらないのは、明治維新の元勲ばかりではない。乱世とは常にそういうものだ。私如きも家が治まっているとはとても言い難いが、それでも例えば世にもまれ...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(16)立志と学問5

『論語と算盤』自ら箸を取れ 現代語訳 青年の嘆きには、大事業をしたいが頼みになる人がいないとか、引き立ててくれる人がいないとか、認めてくれる人がいないとかがある。なるほどどんな才能も、それを認める先人がいないと、手腕を発揮できない。だが幸運...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(17)立志と学問6

『論語と算盤』大立志と小立志との調和 現代語訳 生まれつきの聖人なら別として、我々凡人は志を立てようにも、何かと迷うのが普通だ。その時の社会風潮や周囲の事情によって、うかうかと自分に向いていない方面へ乗り出すようなこともあるが、それでは本当...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(18)立志と学問7

『論語と算盤』君子の争いたれ 現代語訳 世間には、私が絶対に争わない人であるように思う人も少なくないようだが、無論私は好んで争いはしないが、全く争わないわけではない。ひとたび正しい道を進もうと思ったからには、争いを避ける事は絶対に出来ない。...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(19)立志と学問8

『論語と算盤』社会と学問の関係 現代語訳 学問と社会の間に、それほど大きな矛盾は無いが、学生時代の想像があまりに過大だから、面倒な実社会の状態を実際に見て、意外に思うものだ。 現在の社会は昔と違って、色々と複雑になっている。同様に学問の世界...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(20)立志と学問9

『論語と算盤』勇猛心の養成法 現代語訳 活力旺盛になって心身溌剌とすれば、自然と大きな活動が出来る。だが大活動するに当たって活動の法を間違えると、大きな過失を犯すことになる。そこで普段から注意して、どうやって猛進するか考えておかねばならない...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(21)立志と学問10

『論語と算盤』一生涯に歩むべき道 現代語訳 私は十七歳の時に、武士になりたいとの志を立てた。と言うのは、当時の実業家はひたすら百姓町人とバカにされて、世の中から殆ど人間以下の取り扱いを受け、いわゆる歯牙にも掛けないというありさまだったからだ...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(22)常識と習慣1

『論語と算盤』常識とはいかなるものか 現代語訳 誰でも人として世の中で生きて行くに際して、常識はその地位でも必要で、またどんなときにも欠けてはいけない。では常識とは何だろうか。私は次のように解釈する。 つまり行動の方法が過激でなく、頑固でも...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(23)常識と習慣2

『論語と算盤』口は禍福の門なり* 私は普段おしゃべりな方で、色々と口出しし、演説も頼まれればどこでもやるので、知らないうちに言い過ぎる事があって、人からしばしば揚げ足を取られたり、笑われたりする事がある。ただしいかに揚げ足を取られようが笑わ...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(24)常識と習慣3

『論語と算盤』習慣の感染性と伝播力 現代語訳 習慣とは普段の行いが重なって習いが性となるのだから、悪い習慣を持てば悪人に、よい習慣を持てば善人になる。だから誰しも普段から心掛けて、よい習慣を養うことが必要だろう。 さらに習慣は当人だけでなく...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(25)常識と習慣4

『論語と算盤』親切らしき不親切 現代語訳 世間には冷酷無情でまったく誠意が無く、行動は常に奇矯で不真面目なのに、社会の信用を得て成功している者がいる。反対に至極真面目で誠意があり、思いやりに満ちた者が世間に嫌われて落ちこぼれる場合もある。天...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(26)常識と習慣5

『論語と算盤』何を真才真智と言うか 現代語訳 人が世を渡る上で最も重要なのは智恵だ。自分と国家の利益を目論むにも、知識なしでば進まない。とは言え、人はそれ以上に人格を養う必要がある。では人格とは何か。非常識な英雄豪傑にも、希に人格崇高な人が...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(27)常識と習慣6

『論語と算盤』動機と結果 現代語訳 私は志の曲がった軽薄才子は嫌いだ。どんなに動作が巧みでも、誠意のない人と一緒にいたくはないが、神ならぬ身には志まで見抜くのは難しいから、動作が巧みな人間に利用されないとも限らない。 あの王陽明は、知行合一...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(28)常識と習慣7

『論語と算盤』人生は努力にあり 現代語訳 私は本大正二年(1913年)もはや七十四歳の老人である。だからここ数年来、なるべく雑務は避けているが、自分の立てた銀行の世話からは解放されず、老いてもまだ活動している。 人は全て老若の区別無く、勤勉...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(29)仁義と富貴1

『論語と算盤』真正の利殖法 現代語訳 実業を何と考えたらいいか。世の商業・工業は利殖を図る行為に違いない。それがなければ何の公益もないから無意味だ。 しかし自分だけが儲かればいいとなると、孟子が言った「なぜ利益ばかり言うのか。世界には仁義だ...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(30)仁義と富貴2

『論語と算盤』効力の有無はその人にあり 現代語訳 お金は貴いものだということについて、諺に「世の人は黄金で付き合う、黄金がないと付き合いは出来ない」というのは、友情という精神まで金が支配する事を示す。物質より精神重視の東洋思想から見れば堕落...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(31)仁義と富貴3

『論語と算盤』孔夫子の貨殖富貴観 現代語訳 従来の儒者が孔子の教説を一番誤解していたのは、地位財産や利殖の点だろう。彼らが論語から得た解釈では、「仁義王道」(情けの正義と正しい政治)と「貨殖富貴」(利殖と地位財産)は相容れないことになってい...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(32)仁義と富貴4

『論語と算盤』貧乏防止の第一要義 現代語訳 従来私は救貧事業というものを、人道上・経済上の理由から行うべきだと思っていたが、今や政治上もその必要を認める。私の友人が先ほど、欧州の救貧事業を一年半にわたって視察したが、私もこれに援助した関係か...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(33)仁義と富貴5

『論語と算盤』罪は金銭にあらず 現代語訳 陶淵明は「盛年重ねて来たらず、一日再び晨(あした)なり難し」(盛んな年は二度と来ず、一日はもう一度朝にはならない)と題し、朱子は「青年老いやすく学成り難し、一寸の光陰軽んずべからず」と戒めたように、...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(34)仁義と富貴6

『論語と算盤』金銭悪用の実例 現代語訳 一般に御用商人といえば悪党のように思われ、悪感情であれは御用商人と呼ばれ、その言葉にはいやな響きが伴っている。私もそう呼ばれるといい気はしない。つまり金で権力に媚びる奴、清廉潔白実直でないやからと見な...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(35)仁義と富貴7

『論語と算盤』義理合一の信念を確立せよ 現代語訳 社会の万事、利があれば必ず弊害が伴う。我が国が西洋文明を取り入れてその恩恵に浴した一方、新しい世界的害毒も流入した。幸徳秋水一派*の危険思想もその一つだ。古来我が国にはあれほどの悪逆思想はな...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(36)仁義と富貴8

『論語と算盤』富豪と道徳上の義務 現代語訳 私は老人にも関わらず、国家社会のために朝夕駆け回っている。自宅に来客もあり、寄付をしろとか資本を貸せとか学費を援助しろとか理不尽なことも言われるが、世の中にはいろいろな人がいるから、こういうのでな...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(37)仁義と富貴9

『論語と算盤』よく集めよく散ぜよ 現代語訳 金とは世界に通用する貨幣の通称で、諸物品の代表者だ。貨幣が特別便利な理由は、何物にも交換できるからだ。太古は物々交換だったが、今は貨幣さえあれば何にでも交換できる。この代表的価値があるから貴いのだ...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(38)理想と迷信1

『論語と算盤』道理ある希望を持て 戦争に負けては困るが、国力を尽くして戦争ばかりするというのは王道ではない。今日の時局では我々はそこまで心配しなくてもいいが、平和が回復したのち*、実業界がどうなるかについては、思惑に外れることもあろうから、...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(39)理想と迷信2

『論語と算盤』道徳は進化すべきか 道徳は科学のように進化するのだろうか。文明に伴って変わるのだろうか。宗教で徳義を保つばかりでなく、論理で維持するなら、徳義の解釈が変わりはしないだろうか。道徳という文字は、中国古代の夏王朝以前から言う、王者...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(40)理想と迷信3

『論語と算盤』人生観の両面 現代語訳 人はこの世に生まれた以上、何かの目的を持っており、それが何か、どうやって実現するか、これは人の顔つきが違っているように、各自違うだろうが、恐らく次のように考える人もいるだろう。 つまり自分の得意な手腕や...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(41)理想と迷信4

『論語と算盤』日に新たなるを要す 現代語訳 社会は時と共に進歩し、学問もまた同様だ。しかし世間も長くなると、長所が却って短所となり、弊害が生まれるのを避けがたい。特に因襲が染みついてしまうと、活力が無くなる。 だから古人は言った。殷の湯王の...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(42)理想と迷信5

『論語と算盤』修験者の失敗 現代語訳 私が十五の時だった。姉の一人が発狂し、二十という娘盛りでありながら、女性にあるまじき行動をしたので、両親も非常に心配した。しかし女のことだから、他の者に世話をさせる訳に行かず、私は狂った姉のあとをついて...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(43)理想と迷信6

『論語と算盤』真正なる文明 現代語訳 文明と野蛮は相対的な概念だから、その境界ははっきりしないが、仮に基準を選ぶとするなら、英独仏米は文明国だろう。その理由は国体が明瞭で、有形無形のインフラが整っているからだ。しかしそれだけでは十分ではない...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(44)理想と迷信7

『論語と算盤』廓清*の急務なる所以 現代語訳 大騒ぎの結果明治維新となった。治者被治者の区別も無くなり、商売の範囲に区切りが無くなり、世界に打って出なくてはならなくなった。日本国内だけの商売でも、物流が幕府の手に握られていたのが、全て個人で...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(45)人格と修養1

『論語と算盤』楽翁公*の幼時 現代語訳 楽翁公の伝記は広く知られているから今さら言うまでもないが、ここで言うのは公の御自筆で、松平家の秘書『撥雲筆録』によって、公の幼少時を窺うと同時に、そのご人格ご精神の非凡な理由を紹介しようと思う。 六歳...
『論語と算盤』現代語訳

論語と算盤・現代語訳(46)人格と修養2

『論語と算盤』人格の標準は如何 現代語訳 人が万物の霊長なことは、万人が信じている。同じ霊長なら、人と人との間に違いは無いはずだが、世間には上に上が、そして下に下があって限りがない。実際我々が付き合うのは、上は王侯から下は下民に至るまで差が...
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