読者諸賢へ:
訳文や原文の真贋判定を含め、全ての記述は暫定的であることにご留意下さい。研究の宿命として、勘違いや調査不足により、また一からやり直しの繰り返しだからです。誤りにお気づきの方は、是非ともご教示下さい。
論語詳解041八佾篇第三(1)八佾の庭に舞う*
論語八佾篇(1)要約:後世の創作。家老どもが思い上がった舞を舞わせた!とニセ孔子先生が怒りましたが、それを言うなら、底辺から宰相に出世した先生自身が思い上がりです。先生は革命家であっても、因習ジジイではありませんでした。 論語:原文・書き下...
論語詳解042八佾篇第三(2)三家は雍を以て’
論語八佾篇(2)要約:孔子先生の魯国では、殿様がお飾りとなり、門閥家老三家=三桓が、実権を握っていました。驕った三家は家老身分に許されぬ音楽を奏で、それを孔子先生が激怒して、口を極めて非難した、という疑わしい話。 論語:原文・書き下し 原文...
論語詳解043八佾篇第三(3)人にして不仁’
論語八佾篇(3)要約:孔子塾は庶民が貴族に成り上がるための学び舎です。学ぶあれこれは、全て春秋時代の貴族らしい技能と教養を身につけるためでした。弟子にとっては生活がかかっており、ただの習い事ではありません。先生にとっても同じでした。 論語:...
論語詳解044八佾篇第三(4)林放礼の本を問う’
論語八佾篇(4)要約:後世の偽作の疑いあり。弟子の林放が、貴族の行動原則を尋ねます。それは派手派手しい所作やしつらえではなく、心から相手を敬うこと、とりわけ葬儀では、悲しんでいる振りより本当に心から悲しむことだ、と孔子先生。 論語:原文・書...
論語詳解045八佾篇第三(5)夷狄の君あるは’
論語八佾篇(5)要約:孔子先生は古代人で、生まれた中華の文明を世界最高だと信じて疑いません。ですから周辺民族を野蛮人だと思っていました。現代の感覚では差別になることでも、当時は非難どころか賞賛の対象でもあったのです。 論語:原文・書き下し ...
論語詳解046八佾篇第三(6)季氏泰山に旅す’
論語八佾篇(6)要約:門閥家老家の若い当主が、険しい山へ物見遊山に行きました。「危ないぞ。止められなかったのかね」と弟子で家老の側近に尋ねた孔子先生。徹底的に身を案じた話で、聖山をけがしたうんぬんは全て後世の儒者のでっち上げ。 論語:原文・...
論語詳解047八佾篇第三(7)君子は争う所なし*
論語八佾篇(7)要約:後世の創作。孔子塾の必須科目に、弓術が入っていました。その史実をタネに後世の儒者は、理想の周代では周王から村長に至る各級の主催者による弓術大会が開かれたと言い張りました。その偽証のために作られた話。 論語:原文・書き下...
論語詳解048八佾篇第三(8)巧笑倩たり*
論語八佾篇(8)要約:後世の創作。弟子一番のカタブツ子夏が、儒者の大売り出しバーゲンに引き出され、キャッチコピーを言う生き人形にされています。人間の締めくくりは礼法だ! 化粧の締めくくりが紅を差すのとおんなじだ! 論語:原文・書き下し 原文...
論語詳解049八佾篇第三(9)夏の礼は吾これを’
論語八佾篇(9)要約:滅びたいにしえの王朝の末裔は、すっかり衰えてしまい、その文化がもう分かりません。歴史やお作法の調査が大好きな孔子先生、現地に行きましたが資料は滅びてしまいました。殺風景なもんだ、と嘆いた話。 論語:原文・書き下し 原文...
論語詳解050八佾篇第三(10)禘既にそそぎ’
論語八佾篇(10)要約:祖先を祀る禘の祭。祭祀場の床に香りの強い酒を撒いて、それに釣られて祖先の霊がやって来る、ふりを神主がします。先生はそれを見て、「偽善もたいがいにするものだ。アホウらしくて見ていられない。」 論語:原文・書き下し 原文...
論語詳解051八佾篇第三(11)或る人禘の説を*
論語八佾篇(11)要約:後世の創作ですが史実の可能性も。魯国は格が高く、周王の特権である祖先祭が行われました。その所作に、ある人がその由来を先生に問います。しかし冷ややかに祭を見ていた先生は、「由来なんて分かるものか」と答えたのでした。 論...
論語詳解052八佾篇第三(12)祭るにいます’
論語八佾篇(12)要約:孔子先生の生きた時代、人は亡霊や神霊をおそれ、あたかも実在するように仕えていました。そんなもんおらん、死んだらそれまでと思っていた先生は、供養の所作のあれこれを、極めて冷たく見ていました。 論語:原文・書き下し 原文...
論語詳解053八佾篇第三(13)その奥に媚び*
論語八佾篇(13)要約:後世の創作。衛国亡命中の孔子先生。ある貴族から、殿様よりも我らに媚びろと言われます。それをはねつけた孔子先生。神様も殿様も、本当に怒らせたら怖いのですぞ、と後世になって儒者がでっち上げたラノベ。 論語:原文・書き下し...
論語詳解054八佾篇第三(14)周は二代に鑑み*
論語八佾篇(14)要約:後世の創作。孔子先生の生きた周文化の特徴は人間主義で、前代の殷王朝がむやみに人間を生け贄にしたのとは対称的でした。その明るさを先生は、「まるで香り立つようだ」と評論します。古代中国の先進性を示す一節。 論語:原文・書...
論語詳解055八佾篇第三(15)子太廟に入り’
論語八佾篇(15)要約:若き日の孔子先生。神主がもったいぶってやるあれこれに、一体何の意味があるのかと問いました。うろたえた神主は論点をずらしてまともに答えず、身分低く生まれた先生の出身をあげつらいます。 論語:原文・書き下し 原文(唐開成...
論語詳解056八佾篇第三(16)射は皮を主とせず’
論語八佾篇(16)要約:当時の貴族にとって必須の技能、弓術。戦場なら話は別ですが、稽古では射手の体力に合わせた方法を、それぞれに取るべきと孔子先生は言います。無差別級で競っては、力のない者は浮かばれない、そんなお話。 論語:原文・書き下し ...
論語詳解057八佾篇第三(17)子貢、吿朔の餼羊*
論語八佾篇(17)要約:後世の創作。周王だけが技術者を雇っていた暦作り。諸国はそれを有り難がり、ヒツジをお供えして受け取っていました。しかしそれは昔の話。形骸化したヒツジのお供えを、計算高い子貢は無駄だと言いますが…。 論語:原文・書き下し...
論語詳解058八佾篇第三(18)君につかえるに*
論語八佾篇(18)要約:後世の創作。いにしえのお作法も、その形まで消えようとしていました。孔子先生がお作法通りに殿様を拝むと、皆はやれやれと眺めます。それでも先生は、お作法をやめようとしませんでした、という作り話。 論語:原文・書き下し 原...
論語詳解059八佾篇第三(19)君、臣を使い*
論語八佾篇(19)要約:後世の創作。殿様に君臣の道を問われたニセ孔子先生。互いの真心がその心だと答えます。殿様をバカにする家臣も良くなければ、家臣を手ひどく扱う殿様もいけません。その底にある相互不信を解こうとした作り話。 論語:原文・書き下...
論語詳解060八佾篇第三(20)関雎は楽しみて*
論語八佾篇(20)要約:後世の創作。広く歌われたミサゴの歌。若者が募る想いを綴ります。初々しいだけに純真でもあり、しかし若者にありがちな悲嘆にふける所もない。孔子先生はこの歌を高く評価したことになっています。 論語:原文・書き下し 原文(唐...
論語詳解061八佾篇第三(21)哀公よりしろを*
論語八佾篇(21)要約:後世の創作。弟子の宰我は古代人らしからぬ合理主義者。焼けた鎮守の森の再建方を、殿様に問われます。豊富な知識で歴代の由来を説明しましたが、時代的にありあえないオーパーツ話で、真に受けてはいけません。 論語:原文・書き下...
論語詳解062八佾篇第三(22)管仲の器は*
論語八佾篇(22)要約:後世の創作。昔の名宰相・管仲を、孔子先生は器が小さいと評論します。それは管仲が分不相応な、豪奢な生活をしたからでした。身分秩序にこだわる先生には、管仲の巨大な功績も帳消しに見えた、という作り話。 論語:原文・書き下し...
論語詳解063八佾篇第三(23)子、魯の大師に*
論語八佾篇(23)要約:後世の創作。孔子先生が最も得意だったのは音楽と言われます。それをタネに後世の儒者が、音楽に面倒な行儀作法をこしらえました。そのでっち上げのために、ニセ孔子先生は宮廷楽師にウンチクを説教することに。 論語:原文・書き下...
論語詳解064八佾篇第三(24)儀の封人まみえを’
論語八佾篇(24)要約:宰相格に出世した孔子先生、権力の好き放題が過ぎて魯の国じゅうから鼻つまみ者に。でも先生はイソイソと隣国との関所に向かい、その時の様子を描いた話。ただし先生と関守の悩みはそれぞれ違います。 論語:原文・書き下し 原文(...
論語詳解065八佾篇第三(25)子韶を謂う*
論語八佾篇(25)要約:後世の創作。音楽が得意な孔子先生、昔の聖王の作品にも論評を加えます。尊敬して止まない周の開祖でも、武力で革命を起こしたそのとげとげしさが、曲にも表れていると評した、という作り話。 論語:原文・書き下し 原文(唐開成石...
論語詳解066八佾篇第三(26)上に居て寛がず’
論語八佾篇(26)要約:礼儀作法は人を和ませるためのもの、形ばかり行っては、人格修養にも役立たない。弟子が貴族に成り上がるには必須の教養でも、心を込めてやらないと意味がないよと、孔子先生が諭したお話。 論語:原文・書き下し 原文(唐開成石経...