論語詳解479子張篇第十九(8)小人の過ちや

論語子張篇(8)要約:つまらない人間は、間違いをしでかすと必ず言い訳を言う。誰にでも覚えがあるような警句ですが、警句はそれをしでかさなかった人が言わないと説得力が無く、しでかさなかったらそれはもう人ではないでしょう。

論語:原文・白文・書き下し →項目を読み飛ばす

原文・白文

子夏曰、「小人之過也必文。」

書き下し

子夏しかいはく、小人せうじんあやまちかならかざる。

論語:現代日本語訳 →項目を読み飛ばす

逐語訳

子夏が言った。「つまらない人の間違いは、必ず飾る。」

意訳

子夏「つまらない人間が間違いをしでかすと、必ず言い訳を言う。」

従来訳

論語 下村湖人

子夏がいった。――
「小人が過ちを犯すと、必ずそれをかざるものである。」

下村湖人『現代訳論語』

論語:語釈 →項目を読み飛ばす

子夏

論語 子夏

論語では、孔子の若い弟子、ボク商子夏のこと。

小人之過

論語の本章では、”下らない人の間違い”、または”小人が間違いをする”。「之」は所有・所属を意味する助辞だから、日本語の読み下しから、”間違いをした小人”と解するのは誤り。

小人

論語 少 金文 論語 人 金文
(金文)

論語では”凡人・くだらない人”。間違いをごまかすようでは、確かに下らない人には違いない。但し平和な時代の中国の通例として、権力は何者をも左右するから、ごまかし→小人だったはずが、君子=為政者階級→ごまかさない、へと論理がすり替えられた。

論語 過 金文
(金文)

論語の本章では”間違い(をおかす)”。『学研漢和大字典』によるとは関節の象形で、辶=行くと組み合わさり、差し支えなく通過すること、という。

論語 也 金文 論語 也 字解
(金文)

論語の本章では、「AならばB」の「ならば」に当たる助辞。主題を強調する意を示す。『学研漢和大字典』による原義はサソリだという。

論語 文 金文
(金文)

論語の本章では”飾る”。『学研漢和大字典』による原義は土器の縄文だといい、『字通』では体に入れた入れ墨を指すと言う。いずれにせよ、飾ることに違いは無い。

論語:解説・付記

論語の本章について、従来訳の注では「この言葉は痛い。論語の中でも最も痛い言葉の一つである」という。ところで本章の発言者は子夏で、文学の才で孔子に評価され孔門十哲の一人に数えられている。つまり文=飾りに最も長けた弟子が、飾りの悪口を言ったことになる。

従来訳の言うように、確かに本章は心に響く言葉だし、文字の上から見ても全て金文までさかのぼれる。従って子夏の肉声だとする立場に異論は挟みにくいが、本子張篇の他の説教同様、「おまいう」と言いたくなるような、押しつけがましさを感じるのはやむを得ない。

中国文明はキリスト教のように、人間を絶対神に祭り上げはしなかったが、絶対化は平然と行った。歴代の皇帝はたやすく「神聖ニシテ犯スベカラズ」になったし、過去の人間を都合次第で神に祭り上げ、過ちが付きものの人間を無謬のカナブツとして伏し拝んだ。

何のために? カナブツの権威を背景に他人を従わせるためであり、言い出した者のサディズムを満足させるためだった。イエスだけを絶対化しそれ以外を人に過ぎないと断じたキリスト教より、よほどたちが悪い。しかもこの二十一世紀になってなお、最高権力者を絶対化する。

救いようのない社会と言うべきだ。もはや人類全体の迷惑と言っていい。世界中に平然と疫病を撒き散らし、その責任を認めようともせず、あろうことか指導者の「偉大なる勝利」とまで讃えている。正気の沙汰では無い。まさに「小人の過ちや必ずかざる」を地で行っている。

政治倫理として、論語や儒教がこんにち的には全く無価値であることは、この事実一つ取っても明らかだろう。歴代の中華王朝も、すさまじい暴政や収奪を行ったが、論語も儒教もその歯止めとして、何の効果も無かった。却って為政者の怠惰と強欲を正当化さえしてきた。

従ってこんにちの日本で、論語や儒教を持ち上げるようなことを言い出す者を、人は疑ってかかった方がいい。まず疑うべきは自力で漢文を読めもしないという無能であり、次に過去と現在の中国を知らないという無知であり、最後に論語を種に人を従わせたがるサディズムだ。

聖賢の書は自分一人で読むべきものだ。人に押し付けてよい道理が無い。

警告

漢文業界の者は嘘つき中国人そっくりで、微塵も信用ならぬ(→理由)ので、数言申し上ぐ。


出典明記の引用は自由だが(ネット上では可動リンク必須)、盗用・剽窃は居合を嗜む有段者の訳者が、櫓櫂の及ぶ限り追い詰める。言い訳無用。訳者が「やった」と思ったら、全国どこでも押し込む。頭にきたら海外にも出かけ、バッサリやってすぐ帰る。訳者は暇であるし、惜しむものを持っていないし、面倒が苦にならぬゆえ、こうして古典を研究している。未だ人を斬ったことが無い。刀(登録証付)の手入れは毎日している。

盗作・剽窃の通報歓迎。下手人を成敗した後、薄謝進呈。他人にやらせた者も同罪、まずそ奴から追い回す。覚悟致せ。
斬首
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