読者諸賢へ:
訳文や原文の真贋判定を含め、全ての記述は暫定的であることにご留意下さい。研究の宿命として、勘違いや調査不足により、また一からやり直しの繰り返しだからです。誤りにお気づきの方は、是非ともご教示下さい。
論語詳解185泰伯篇第八(1)泰伯はそれ徳の*
論語泰伯篇(1)要約:後世の創作。遠路やって来た架空の呉国の使節を応接して、ニセ孔子先生がまず言います。「まことに貴国の開祖泰伯さまこそ、人類最高の人徳を身につけたお方でござる。」言われて喜ぶのは幼児だけでしょう。 論語:原文・書き下し 原...
論語詳解186泰伯篇第八(2)恭にして礼なくんば*
論語泰伯篇(2)要約:後世の創作。慎重な態度も儒者の言う礼法に従わないと行き詰まる。君主が身内びいきをすると民が全部おりこうさんになって世が治まる、とニセ孔子先生。そんなバカバカしいメルヘンがあるわけがありません。 論語:原文・書き下し 原...
論語詳解187泰伯篇第八(3)曽子疾有りて、門*
論語泰伯篇(3)要約:後世の創作。臨終、曽子が傷一つ体にないのを弟子に見せ、親孝行とはこういうことだと説教します。でも曽子は孔子の弟子ではありませんし、論語時代の君子は戦士ですから、傷一つないのは君子ではありません。 論語:原文・書き下し ...
論語詳解188泰伯篇第八(4)曽子疾有りて、孟*
論語泰伯篇(4)要約:後世の創作。全く働かないのに上げ膳据え膳で結構な待遇をよこせ、と漢帝国の儒者が曽子をタネにでっち上げたひどい話。曽子は孔子の弟子ではなく、話の元ネタも『史記』が記したお笑い芸人の死に際でした。 論語:原文・書き下し 原...
論語詳解189泰伯篇第八(5)能を以て不能に問い*
論語泰伯篇(5)要約:後世の創作。曽子の神格化のため、同じく神格化された顔淵と友人だったという説教。曽子は孔子の弟子ではなく、二人の年齢は親子ほども違い、あるいは会ったこともない可能性があります。友人のはずがありません。 論語:原文・書き下...
論語詳解190泰伯篇第八(6)以て六尺之孤を託す*
論語泰伯篇(6)要約:後世の創作。孤児を委ねる事が出来、人々の人命を委ねる事が出来、政治的激動期にも政治を委ねて不安がない。そんな人物は君子と言えるか、間違いなく君子である、と曽子が説教。ですが全くのニセモノです。 論語:原文・書き下し 原...
論語詳解191泰伯篇第八(7)士は以て弘毅’
論語泰伯篇(7)要約:おそらく後世の創作、弟子でもない曽子が他人に「お前だけそうしろ」と説教。君子は度量が広くて意志が堅く、その責任は重く、仁義を実践し続ける道のりは長く、死んでやっとその務めから解放される、と。 論語:原文・書き下し 原文...
論語詳解192泰伯篇第八(8)詩に興り°
論語泰伯篇(8)要約:一人前の君子になるには、まず詩に興味を持って覚え、次に礼儀作法を身につけ、最後に音楽を習い終えなさいと孔子先生。しかし論語の時代の君子は、そのような生ぬるい生き方だけでは生き抜けませんでした。 論語:原文・書き下し 原...
論語詳解193泰伯篇第八(9)民はこれよらしむ’
論語泰伯篇(9)要約:民は従わせる事は出来ても、政策の意図を分からせる事は出来ない。公教育皆無の春秋時代とあっては、致し方のない現実でした。 論語:原文・書き下し 原文(唐開成石経) 子曰民可使由之不可使知之 「民」字:「叚」字のへんで記す...
論語詳解194泰伯篇第八(10)勇を好みて貧*
論語泰伯篇(10)要約:後世の創作。武芸自慢が貧乏になると暴れ出す。情けの無い者も貧乏になると暴れ出す。なるほどそうかも知れません。ただし論語の時代、お金は存在しませんから、「貧」の字も存在しなかったのでしたが…。 論語:原文・書き下し 原...
論語詳解195泰伯篇第八(11)もし周公の才の美’
論語泰伯篇(11)要約:呉国使節のあまりの田舎者ぶりにうんざりする孔子先生。だからこそ文化的にたらし込み取り込むつもりでした。しかし使節が酔って暴れでもしたのでしょうか。愚痴を言いたくなりました。 論語:原文・書き下し 原文(唐開成石経) ...
論語詳解196泰伯篇第八(12)三年学びて°
論語泰伯篇(12)要約:呉国使節の接待に戻った孔子先生。名高い孔子塾について問われます。使節はあるいは、自分の子を入門させたいのかも知れません。まあ就職できるまでに三年はかかりましょうな、と先生は答えるのでした。 論語:原文・書き下し 原文...
論語詳解197泰伯篇第八(13)篤く信じて学を*
論語泰伯篇(13)要約:後世の創作。疑わず勉強に励み、命を大事にして乱れた国に住まず、世の中が平和なら仕官して世のために働き、戦乱の世には身を隠す。平和な世で貧しいのは恥だし、乱れた世で富むのも恥だ、とお説教。 論語:原文・書き下し 原文(...
論語詳解198泰伯篇第八(14)その位に°
論語泰伯篇(14)要約:自分の担当でもないのに、他人の仕事にあれこれと意見をするな。他人はほっとけ、という孔子先生らしい発言ですが、漢字の用法に一部疑わしい点が。ただしささいな疑問点で、どうやら史実と言ってよさそうです。 論語:原文・書き下...
論語詳解199泰伯篇第八(15)師摯の始*
論語泰伯篇(15)要約:後世の創作。呉国使節を接待中の孔子先生。音楽にことのほか造詣の深い先生は、奏でられている曲の聞き所を使節に解説します。ですが文字的には全くのでっち上げで、登場人物もデタラメに扱われています。 論語:原文・書き下し 原...
論語詳解200泰伯篇第八(16)狂にして直ならず*
論語泰伯篇(16)要約:後世の創作。やっと接待を終えたニセ孔子先生。好まぬ愛想笑いやおべっかの数々を、革命のためとは言えやってしまった。僅かな後悔が口を緩ませ、呉国使節の悪口がこぼれます。弟子は呆れて愚痴を聞くのでした。 論語:原文・書き下...
論語詳解201泰伯篇第八(17)学は及ばざるが如く’
論語泰伯篇(17)要約:話は普段の、孔子先生の生活に戻ります。政治家・革命家でもある孔子先生ですが、その本領はやはり学問。中年を過ぎても晩年になっても、常に新しい知識を求めて止みません。そんな先生の心からのつぶやき。 論語:原文・書き下し ...
論語詳解202泰伯篇第八(18)巍巍乎たり、舜禹の*
論語泰伯篇(18)要約:後世の創作。孔子先生は、いにしえの聖王のうち周の文王・武王はもちろん知っていました。禹王もおそらく知っていたでしょう。しかしそれより前の舜王は、先生没後百年は過ぎないと現れません。 論語:原文・書き下し 原文(唐開成...
論語詳解203泰伯篇第八(19)大なるかな堯*
論語泰伯篇(19)要約:後世の創作。伝説の聖王・堯ギョウは、具体的に何をやったかほとんどわかりません。ただ天下はそれでよく治まった。ああすごいすごい、と鳥のような声を出して感心するニセ孔子先生。論語の中でも指折りに愚劣な章。 論語:原文・書...
論語詳解204泰伯篇第八(20)舜臣五人有りて*
論語泰伯篇(20)要約:後世の創作。聖王舜シュンはたった五人、周王朝の開祖武王はたった十人で天下を取り、よく治めましたとさ。ニセ孔子先生は、三千の弟子を抱えていましたが、一体どうやったんだろうと首をかしげた、という作り話。 論語:原文・書き...
論語詳解205泰伯篇第八(21)禹は吾間然とする*
論語泰伯篇(21)要約:後世の創作。聖王たちの中で、禹ウ王は比較的、史書の記述が具体的です。それは自分の生活を質素にして、治水や神霊の祭祀にお金を掛ける事でした。完璧だ、と孔子先生は評したという作り話。 論語:原文・書き下し 原文(唐開成石...