論語詳解418衛霊公篇第十五(40)道同じからざらば

論語衛霊公篇(40)要約:進む道が違う人に、相談を持ちかけてはいけない、と自分はおしゃべりな孔子先生。革命政党としての孔子一門にとって、機密の保持は重要でした。一般論としても、他人は他人の夢に冷淡であって当然だからです。

論語:原文・白文・書き下し →項目を読み飛ばす

原文・白文

子曰、「道不同、不相爲謀。」

校訂

武内本:塩鉄論云、孔子曰治道不同者不相與謀と、蓋し此章の異文、爲と與古通用。

書き下し

いはく、みちおなじからざらば、あひはかりごとさざれ。

論語:現代日本語訳 →項目を読み飛ばす

逐語訳

論語 孔子 肖像
先生が言った。「進む道が同じでないなら、互いにはかりごとをするな。」

意訳

論語 孔子 ぐるぐる
志が違う者に、ぺちゃくちゃ自分の志を言ってはならない。

従来訳

論語 下村湖人

先師がいわれた。――
「志す道がちがっている人とは、お互いに助けあわぬがいい。」

下村湖人『現代訳論語』

論語:語釈 →項目を読み飛ばす

論語 道 金文
(金文)

論語の本章では、”志望”。

論語 同 金文
(金文)

論語の本章では、”同じである”。

『学研漢和大字典』によると会意文字で、「四角い板+口(あな)」。板に穴をあけて突き通すことを示す。突き抜ければ通じ、通じれば一つになる。転じて、同一・共同・共通の意となる。

通(とおす)・衝(突き抜く)と同系。また筒(トウ)(つつ)・胴(つつ型の胴体)・洞(ドウ)(突き抜けたほら穴)とは特に縁が近い、という。

論語 相 金文
(金文)

論語の本章では、”向き合って・互いに”。

爲(為)

論語 為 甲骨文 論語 為 金文
(甲骨文・金文)

論語の本章では”する”。

論語の本章は、本来なら以下の通りで済むはず。「謀」は名詞にも動詞にもなり得るからだ。

道不同、不相謀。 道同じからざらば、あいはからざれ。
志望が違っていたら、互いにはかりごとをするな。
しかし「為」が入っている。上掲の書き下しでは動詞に読んだが、副詞に読んだ場合は、「謀」の対象や目的を示す。
道不同、不相謀。 道同じからざらば、相ためはからざれ。
志望が違っていたら、お互いのためにはかりごとをするな。

ただし、意味はほとんど変わらない。孔子がわざわざ持って回った言い方をしたのか、語調を整えるためについ口から出たのか、それは分からない。

論語 謀 金文
(金文)

論語の本章では”くわだて”。

論語:解説・付記

論語の本章は、革命政党としての孔子一門の姿を垣間見せるものと解釈出来る。機密の保持が、政治工作には必要だからだ。一般論として”自分の志に興味を持ってくれる他人などまずいないものだ、相手の迷惑だし失望もするから、べらべらと志を言うな”と解しても良い。

しかし前者だとすると、孔子が論語でたびたび弟子の饒舌を嫌い、戒めているのも理屈が通る。饒舌と言えば孔子自身が誰よりも饒舌で、秘密が漏れて困ったことがあったのだろう。放浪の当初、衛国で政治工作を行い、それゆえに見張りを付けられ逃亡したのがその一例。

徳=人間の機能の面からも、饒舌でないことがその証しになりうる。自信がない者ほどよくしゃべり、言わないでいいことまで言ってしまう。自信がある者は、他人の気を引く必要がないからだ。古今東西、饒舌な者が見下されがちなのは、論語の時代も変わらない。

警告

漢文業界の者は嘘つき中国人そっくりで、微塵も信用ならぬ(→理由)ので、数言申し上ぐ。


出典明記の引用は自由だが(ネット上では可動リンク必須)、盗用・剽窃は居合を嗜む有段者の訳者が、櫓櫂の及ぶ限り追い詰める。言い訳無用。訳者が「やった」と思ったら、全国どこでも押し込む。頭にきたら海外にも出かけ、バッサリやってすぐ帰る。訳者は暇であるし、惜しむものを持っていないし、面倒が苦にならぬゆえ、こうして古典を研究している。

刀の手入れは毎日している。そして未だ人を斬ったことが無い。

盗作・剽窃の通報歓迎。下手人を成敗した後、薄謝進呈。他人にやらせた者も同罪、まずそ奴から追い回してぶっ○○る。覚悟致せ。

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