論語における「禮(礼)」

※研究の進展により「礼」「仁」の解釈について大幅な変更が必要になってきたので、従来掲示してきた自説を削除した。ただし、「礼」=「仁」のスペック、というのは変わらない。(2020.9.25)

訳者による「礼」の解釈は、暫定的に論語憲問篇44の語釈に記したので参照されたい。

語義・語源

大漢和辞典

礼 大漢和辞典
礼 大漢和辞典
礼 大漢和辞典

(一)ゐや。ふみ行うべきのり。(二)作法。(三)うやまふ。(四)進物。(五)儀式。(六)そなへもの。(七)ご馳走。(八)貴賤上下の別。(九)国家の法則。(十)事理を貫き統べている法則。(十一)五礼・九礼の総称。(十二)礼を記した書物。(十三)易で陰或いは坤をいふ。(十四)醴に通ず。(十五)古、礼・𠃞・𤔑に作る。(十六)新書の篇名。(十七)姓。

学研漢和大字典

レイ(ホウではない)は、たかつき(豆)に形よくお供え物を盛ったさま。禮は、「示(祭壇)+音符豊」の会意兼形声文字で、形よく整えた祭礼を示す。「説文解字」や「礼記」祭義篇では、礼は履(ふみ行う)と同系のことばと説く。▽礼(=礼)はもと、古文の字体で、今日の略字に採用された。礼は禮の異体字。

字通

旧字は禮に作り、れい声。豊はれい。その醴酒を用いて行う饗醴などの儀礼をいう。〔説文〕一上に「なり」と畳韻の字を以て訓し、「神につかへて福を致す所以なり」とし、豊の亦声とする。卜文・金文の字形には豊の上部をかくの形、また二ほうの形に従うものがあり、玉や禾穀の類を豆に加えて薦めた。古文として礼の字をあげており、漢碑にもその字がみえている。〔中庸、二十七〕に「禮儀三百、威儀三千」とあり、中国の古代文化は礼教的文化であった。

用例

  1. 有子曰:「之用,和為貴。先王之道斯為美,小大由之。有所不行,知和而和,不以節之,亦不可行也。」(學而)
  2. 有子曰:「信近於義,言可復也;恭近於,遠恥辱也;因不失其親,亦可宗也。」(學而)
  3. 子貢曰:「貧而無諂,富而無驕,何如?」子曰:「可也。未若貧而樂1,富而好者也。」子貢曰:「《詩》云:『如切如磋,如琢如磨。』其斯之謂與?」子曰:「賜也,始可與言詩已矣!告諸往而知來者。」(學而)
  4. 子曰:「道之以政,齊之以刑,民免而無恥;道之以德,齊之以,有恥且格。」(為政)
  5. 孟懿子問孝。子曰:「無違。」樊遲御,子告之曰:「孟孫問孝於我,我對曰『無違』。」樊遲曰:「何謂也?」子曰:「生事之以;死葬之以,祭之以。」(為政)
  6. 子張問:「十世可知也?」子曰:「殷因於夏,所損益,可知也;周因於殷,所損益,可知也;其或繼周者,雖百世可知也。」(為政)
  7. 子曰:「人而不仁,如何?人而不仁,如樂何?」(八佾)
  8. 林放問之本。子曰:「大哉問!,與其奢也,寧儉;喪,與其易也,寧戚。」(八佾)
  9. 子夏問曰:「『巧笑倩兮,美目盼兮,素以為絢兮。』何謂也?」子曰:「繪事後素。」曰:「後乎?」子曰:「起予者商也!始可與言詩已矣。」(八佾)
  10. 子曰:「夏,吾能言之,杞不足徵也;殷,吾能言之,宋不足徵也。文獻不足故也,足則吾能徵之矣。」(八佾)
  11. 子入大廟,每事問。或曰:「孰謂鄹人之子知乎?入大廟,每事問。」子聞之曰:「是也。」(八佾)
  12. 子貢欲去告朔之餼羊。子曰:「賜也,爾愛其羊,我愛其。」(八佾)
  13. 子曰:「事君盡,人以為諂也。」(八佾)
  14. 定公問:「君使臣,臣事君,如之何?」孔子對曰:「君使臣以,臣事君以忠。」(八佾)
  15. 子曰:「管仲之器小哉!」或曰:「管仲儉乎?」曰:「管氏有三歸,官事不攝,焉得儉?」「然則管仲知乎?」曰:「邦君樹塞門,管氏亦樹塞門;邦君為兩君之好,有反坫,管氏亦有反坫。管氏而知,孰不知?」(八佾)
  16. 子曰:「居上不寬,為不敬,臨喪不哀,吾何以觀之哉?」(八佾)
  17. 子曰:「能以讓為國乎?何有?不能以讓為國,如何?」(里仁)
  18. 子曰:「君子博學於文,約之以,亦可以弗畔矣夫!」(雍也)
  19. 子所雅言,詩、書、執,皆雅言也。(述而)
  20. 陳司敗問昭公知乎?孔子曰:「知。」孔子退,揖巫馬期而進之,曰:「吾聞君子不黨,君子亦黨乎?君取於吳為同姓,謂之吳孟子。君而知,孰不知?」巫馬期以告。子曰:「丘也幸,苟有過,人必知之。」(述而)
  21. 子曰:「恭而無則勞,慎而無則葸,勇而無則亂,直而無則絞。君子篤於親,則民興於仁;故舊不遺,則民不偷。」(泰伯)
  22. 子曰:「興於詩,立於。成於樂。」(泰伯)
  23. 子曰:「麻冕,也;今也純,儉。吾從眾。拜下,也;今拜乎上,泰也。雖違眾,吾從下。」(子罕)
  24. 顏淵喟然歎曰:「仰之彌高,鑽之彌堅;瞻之在前,忽焉在後。夫子循循然善誘人,博我以文,約我以。欲罷不能,既竭吾才,如有所立卓爾。雖欲從之,末由也已。」(子罕)
  25. 執圭,鞠躬如也,如不勝。上如揖,下如授。勃如戰色,足蹜蹜,如有循。享,有容色。私覿,愉愉如也。(鄉黨)
  26. 子曰:「先進於樂,野人也;後進於樂,君子也。如用之,則吾從先進。」(先進)
  27. 子路、曾皙、冉有、公西華侍坐。子曰:「以吾一日長乎爾,毋吾以也。居則曰:「不吾知也!』如或知爾,則何以哉?」子路率爾而對曰:「千乘之國,攝乎大國之間,加之以師旅,因之以饑饉;由也為之,比及三年,可使有勇,且知方也。」夫子哂之。「求!爾何如?」對曰:「方六七十,如五六十,求也為之,比及三年,可使足民。如其樂,以俟君子。」「赤!爾何如?」對曰:「非曰能之,願學焉。宗廟之事,如會同,端章甫,願為小相焉。」「點!爾何如?」鼓瑟希,鏗爾,舍瑟而作。對曰:「異乎三子者之撰。」子曰:「何傷乎?亦各言其志也。」曰:「莫春者,春服既成。冠者五六人,童子六七人,浴乎沂,風乎舞雩,詠而歸。」夫子喟然歎曰:「吾與點也!」三子者出,曾皙後。曾皙曰:「夫三子者之言何如?」子曰:「亦各言其志也已矣。」曰:「夫子何哂由也?」曰:「為國以,其言不讓,是故哂之。」「唯求則非邦也與?」「安見方六七十如五六十而非邦也者?」「唯赤則非邦也與?」「宗廟會同,非諸侯而何?赤也為之小,孰能為之大?」(先進)
  28. 顏淵問仁。子曰:「克己復為仁。一日克己復,天下歸仁焉。為仁由己,而由人乎哉?」顏淵曰:「請問其目。」子曰:「非勿視,非勿聽,非勿言,非勿動。」顏淵曰:「回雖不敏,請事斯語矣。」(顏淵)
  29. 司馬牛憂曰:「人皆有兄弟,我獨亡。」子夏曰:「商聞之矣:死生有命,富貴在天。君子敬而無失,與人恭而有。四海之內,皆兄弟也。君子何患乎無兄弟也?」(顏淵)
  30. 子曰:「君子博學於文,約之以,亦可以弗畔矣夫!」(顏淵)
  31. 子路曰:「衛君待子而為政,子將奚先?」子曰:「必也正名乎!」子路曰:「有是哉,子之迂也!奚其正?」子曰:「野哉由也!君子於其所不知,蓋闕如也。名不正,則言不順;言不順,則事不成;事不成,則樂不興;樂不興,則刑罰不中;刑罰不中,則民無所措手足。故君子名之必可言也,言之必可行也。君子於其言,無所苟而已矣。」(子路)
  32. 樊遲請學稼,子曰:「吾不如老農。」請學為圃。曰:「吾不如老圃。」樊遲出。子曰:「小人哉,樊須也!上好,則民莫敢不敬;上好義,則民莫敢不服;上好信,則民莫敢不用情。夫如是,則四方之民襁負其子而至矣,焉用稼?」(子路)
  33. 子路問成人。子曰:「若臧武仲之知,公綽之不欲,卞莊子之勇,冉求之藝,文之以樂,亦可以為成人矣。」曰:「今之成人者何必然?見利思義,見危授命,久要不忘平生之言,亦可以為成人矣。」(憲問)
  34. 子曰:「上好,則民易使也。」(憲問)
  35. 子曰:「君子義以為質,以行之,孫以出之,信以成之。君子哉!」(衛靈公)
  36. 子曰:「知及之,仁不能守之;雖得之,必失之。知及之,仁能守之。不莊以涖之,則民不敬。知及之,仁能守之,莊以涖之。動之不以,未善也。」(衛靈公)
  37. 孔子曰:「天下有道,則樂征伐自天子出;天下無道,則樂征伐自諸侯出。自諸侯出,蓋十世希不失矣;自大夫出,五世希不失矣;陪臣執國命,三世希不失矣。天下有道,則政不在大夫。天下有道,則庶人不議。」(季氏)
  38. 孔子曰:「益者三樂,損者三樂。樂節樂,樂道人之善,樂多賢友,益矣。樂驕樂,樂佚遊,樂宴樂,損矣。」(季氏)
  39. 陳亢問於伯魚曰:「子亦有異聞乎?」對曰:「未也。嘗獨立,鯉趨而過庭。曰:『學詩乎?』對曰:『未也。』『不學詩,無以言。』鯉退而學詩。他日又獨立,鯉趨而過庭。曰:『學乎?』對曰:『未也。』『不學,無以立。』鯉退而學。聞斯二者。」陳亢退而喜曰:「問一得三,聞詩,聞,又聞君子之遠其子也。」(季氏)
  40. 子曰:「云,玉帛云乎哉?樂云樂云,鐘鼓云乎哉?」(陽貨)
  41. 宰我問:「三年之喪,期已久矣。君子三年不為必壞;三年不為樂,樂必崩。舊穀既沒,新穀既升,鑽燧改火,期可已矣。」子曰:「食夫稻,衣夫錦,於女安乎?」曰:「安。」「女安則為之!夫君子之居喪,食旨不甘,聞樂不樂,居處不安,故不為也。今女安,則為之!」宰我出。子曰:「予之不仁也!子生三年,然後免於父母之懷。夫三年之喪,天下之通喪也。予也,有三年之愛於其父母乎?」(陽貨)
  42. 子貢曰:「君子亦有惡乎?」子曰:「有惡:惡稱人之惡者,惡居下流而訕上者,惡勇而無者,惡果敢而窒者。」曰:「賜也亦有惡乎?」「惡徼以為知者,惡不孫以為勇者,惡訐以為直者。」(陽貨)
  43. 子曰:「不知命,無以為君子也。不知,無以立也。不知言,無以知人也。」(堯曰)

警告

漢文業界の者は嘘つき中国人そっくりで、微塵も信用ならぬ(→理由)ので、数言申し上ぐ。


出典明記の引用は自由だが(ネット上では可動リンク必須)、盗用・剽窃は居合を嗜む有段者の訳者が、櫓櫂の及ぶ限り追い詰める。言い訳無用。訳者が「やった」と思ったら、全国どこでも押し込む。頭にきたら海外にも出かけ、バッサリやってすぐ帰る。訳者は暇であるし、惜しむものを持っていないし、面倒が苦にならぬゆえ、こうして古典を研究している。

刀の手入れは毎日している。そして未だ人を斬ったことが無い。

盗作・剽窃の通報歓迎。下手人を成敗した後、薄謝進呈。他人にやらせた者も同罪、まずそ奴から追い回してぶっ○○る。覚悟致せ。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

関連記事(一部広告含む)

コメント

  1. […] 参考:論語における「禮(礼)」 […]

  2. […] 孔子にとっての道とは、孔子があこがれるようにして想像した、周公が作った礼儀作法と制度のことであり、事実それが周公作なのかは極めて怪しい。加えて所詮人間がこしらえたお約束ごとであり(論語における「礼」)、利益がなければ誰も実践しないのは当然だった。 […]