論語堯曰篇:要約

アルファー:みなさんこんにちは! ナビゲーターAIのアルファーです!
孔子:解説の孔子じゃ。

アルファー:早速ですが先生、この堯曰篇とはどんな篇なんですか?
孔子:うむ。論語が現在の姿になるのは、後漢帝国の末期じゃが、それまでの間儒者はせっせと、論語を膨らましてきた。色々と偉そうなカミサマ伝説やもったいを付けて、自分らの権威付けに励んだのじゃな。

アルファー:ああ、それで冒頭から半分近くが、よく分けの分からない祝詞みたいな言葉で占められているんですね。
孔子:そうじゃよ。それらの部分には、わざと発言者をぼかして、黒魔術のように見せかけたりしておる。伝統的にそれらの発言者は、聖王の堯や舜、我が周の初代武王陛下などとされてきた。じゃが武王陛下はともかく、それ以外の聖王は、戦国時代にこしらえられたニセモノじゃ。

アルファー:でも殷を始められた湯王様は、いらっしゃったんですよね?
孔子:うむ、殷の初代王陛下がおわしたのは間違いないが、おん名は伝わっておらん。殷の中期になるまで、漢字が発明されなかったからじゃ。甲骨文には殷の開祖を、天乙とか、唐とか、成と記しておるが、要するにそれも伝説で、まして湯王という名だったわけではない。

アルファー:じゃあいつから、湯王様と呼ばれるようになったんですか?
孔子:そうじゃのう…だいたいワシがおっ死んでから一世紀後ぐらいかのう。ほれ、例の孟子くんがせっせと聖王伝説をこしらえるとき、「唐」dʰɑŋとよく似た音で「湯」tʰɑŋ王と呼び始めたんじゃな。

アルファー:今なんか先生のお口から、ヘンな音が聞こえましたが。
孔子:気にせんでええ。ワシらの頃の中国語じゃ。当時「唐」には、”でたらめ”という語義が生まれておって、古代の聖王が「でたらめ王」では都合が悪かったんじゃ。ほれ、「荒唐無稽」と言うじゃろう? それで「湯」=沸き立つように勢いのよい王様、と呼ぶことにしたのじゃ。

アルファー:ふむふむ。あとこの堯曰篇では、子張さんとの対話も大きな部分を占めてますよね。
孔子:そうじゃな。一説によるとこの堯曰篇はもと子張問篇といって、そこに古代の祝詞やらをくっつけて、膨らましたと言われておる。「膨らむことはいいことだ!」病にでもかかっておったんじゃろう。では、始めるとするかのう。
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計りと枡目は、ごまかしの無いように気を付ける。判決の基準をすみずみまで良く理解する。意味の無くなった官職にも意味を取り戻して昔通りの行政を行う。これらが揃って、やっと全地方の政治がうまく回るようになる。
さらに滅びた国を再興し、途絶えた家系には跡継ぎを立ててやり、世間に知られない才人を取り立てれば、そこでようやく天下の民が支持してくれるのだ。
とりわけ、民政と、食糧確保と、葬祭と、祖先の供養には、気を付けて手厚く処理するように。それがうまくいったら、万事丸く収まるのだ。

アルファー:先生、この章の発言者は誰か、明記されていませんが。
孔子:そうじゃよ? じゃから前章との続きで武王陛下のお言葉じゃとか、陛下の治世を描いた地の文じゃとか、色々言われておるその説の一つが、ワシの言葉じゃと言うのじゃな。使われた言葉は、ワシの時代にもあったものばかりじゃが、記された内容から、たぶん漢帝国になってからの作文じゃろうなあ。

アルファー:それと先生、「はかりを謹む」事がそんなに大事なんですか?
孔子:大事じゃよ。徴税するにも、倉庫にしまうにも、払い出すにも、正確なはかりが無ければ、政治は滅茶苦茶になってしまうじゃろう? 正確な計量と記帳は、ワシと弟子たちが出世できた、一番の武器でもあったのじゃぞ。
2

子張が政治の方針を質問したので答えた。 「五つの美を心がけ、四つの悪に気を付けなさい。」「五つの美とは?」「五つの美とは…。」
- 君子は恵むが、浪費しない。
- 真面目に働くが、不満に思わない。
- 欲はあっても、むさぼらない。
- ゆったりとかまえて、威張らない。
- 威厳はあっても、見下げない。
子張「恵むが、浪費しないとは?」
「民がして欲しいことをする。そうでない事業はやらない。浪費は無くなるな。自分がするべきと思う仕事に熱中する。不満がないな。欲は憐れみの実現に向ける。好き勝手な貪りにはならないな。総じて君子というのは、仕事の多いとか少ないとか、大きいとか小さいとかに関係なく、まじめに働くべきものだ。それがゆったりかまえて威張らない、ということだ。また身なりはきちんと整え、目つきもキョロキョロさせないから、民も敬う。これが威厳はあっても見下さない、ということだ。」
子張「四つの悪とは?」「悪とは…。」
- 何が悪か教えもしないで処刑する。これをいじめという。
- 注意点を示しもしないで仕事にけちを付ける。これをむごいという。
- 事件や事業を放置して時効にしてしまう。これを給料泥棒という。
- 民への施しにケチケチする。これを役人根性という。

アルファー:う~ん。確かに仰る通りですが、古今東西変わらぬ原則で、「だから何?」でもありますね。
孔子:これはキツいのう。じゃが言う通りじゃ。それでも、原則が原則通りに行われないことが、一番の問題ではないかね? だから本当の事とは、必ずしも聞いて面白い話ではないのじゃ。
3
自然現象を観測してその意味を悟らなければ、貴族になれない。 貴族らしい礼法を知らなければ、一人前になれない。 ことばを知らなければ、人の気持ちは分からない。

アルファー:この章はきちんと、「子曰く」って書いてありますね!
孔子:そうよの。この章には、ちょっとワシらの頃の中国語と言えぬ言葉があって、まるまるワシの言葉じゃとは言えぬのじゃが、ワシの教説を短くまとめた、重要な言葉でもある。つまりじゃ、
- 数理を学び、
- 教養を身につけ、
- 人にウソをつかぬ事じゃ。
客観的な事実や、自分を偽ることのない真実が、結果として大きな力を生むし、人に頼りにもされる。この原則で、ワシと弟子たちは、身分制度の厳しい春秋の世を、駆け上がっていったのじゃぞ!

アルファー:論語堯曰篇は以上です。みなさん、お疲れ様でした!
論語速読・孔子の言葉終わり
お疲れ様でした。

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