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論語詳解254先進篇第十一(1)補足:『孝経』現代語訳

  • 『孝経』広要道篇

原文

子曰:「教民親愛,莫善於孝。教民禮順,莫善於悌。移風易俗,莫善於樂。安上治民,莫善於禮。禮者,敬而已矣。故敬其父,則子悅;敬其兄,則弟悅;敬其君,則臣悅;敬一人,而千萬人悅。所敬者寡,而悅者眾,此之謂要道也。」

書き下し

子曰く、「民を教え愛に親しむは、孝於り善きは莫し。民を教えて礼もて順えるは、悌於り善きは莫し。風を移して俗を易ゆるは、楽於り善きは莫し。上を安んじ民を治むるは、礼於り善きは莫し。礼者、敬い而ある已矣。故に其の父を敬わば、則ち子悦ぶ。其の兄を敬わば、則ち弟悦ぶ。其の君を敬わば、則ち臣悦ぶ。一人を敬わば、し而千万人悦ぶ。敬う所の者寡からば、し而悦ぶ者衆く、此れを之れ道の要を謂う也。」

現代日本語訳

子曰く、「民を教えて愛の心を持たせるには、孝行よりよいものはない。民を教えて礼法に順わせるには、悌(年上への敬意)よりよいものはない。風習を変え風俗を改めさせるには、音楽よりよいものはない。君主を安心させ民を治めるには、礼法よりよいものはない。

礼は、ただ敬いの心あるのみ。だから父親を敬って、子は喜ぶ。兄を敬まって、弟は喜ぶ。君主を敬まって、家臣は喜ぶ。天子を敬って、万人が喜ぶ。敬われる対象が少なければ、喜ぶ者も多い。これが人道のかなめというものである。」

訳注

「天子」の言葉が中国語に現れるのは西周早期で、殷の君主は自分から”天の子”などと図々しいことは言わなかった。詳細は論語述而篇34余話「周王朝の図々しさ」を参照。

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論語内容補足
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