
忽(コツ・8画)

中山王鼎・戰國末期/「曶」曶鼎・西周中期
初出:初出は戦国末期の金文。
字形:「勿」”ない”+「心」。知覚できないさま。

慶大蔵論語疏は異体字「〔匁心〕」と記す。上掲「唐集聖教序」刻。
音:カールグレン上古音はxmwət(入)。
用例:戦国末期「中山王鼎」(集成2840)に「寡懼其忽然不可□(得)」とあり、”知覚できない”と解せる。
論語時代の置換候補:『大漢和辞典』で音コツ訓たちまちに「𨕚」があり、初出・上古音不明。訓ゆるがせにするに「曶」があり、カ音不明。初出は西周中期の金文。ただし”ゆるがせにする”の用例が春秋末期までに見当たらない。
学研漢和大字典
会意兼形声。勿(ブツ)は、吹き流しがゆらゆらして、はっきりと見えないさまを描いた象形文字。忽は「心+(音符)勿」で、心がそこに存在せず、はっきりしないまま見すごしていること。勿(ない)・没(見えなくなる)などと同系。類義語の俄(ガ)は、きわだった断層が生じる意を含み、がくっと驚く、にわかに変化するなどの場合の副詞に用いる。怱(ソウ)は別字。
語義
- {副詞}たちまち。いつのまにか。うっかりしているまに。《類義語》俄(ガ)・(ニワカ)。「忽然」「忽聞=忽ち聞く」「歳月忽已晩=歳月忽ち已に晩し」〔古詩十九首〕
- {形容詞}心がうつろなさま。よく見定められないさま。とりとめのないさま。《同義語》惚。
- {形容詞・動詞}ゆるがせにする(ゆるがせにす)。気にとめないさま。気にとめずにほうっておく。しっかりととらえずに放置する。「忽略(コツリャク)」「禍乱生於所忽=禍乱は忽にする所より生ず」〔資治通鑑・唐太宗〕
- {単位詞}数の単位。一の十万分の一。糸の十分の一。微の十倍。
字通
[形声]声符は勿(ふつ)。勿に㫚・笏(こつ)の声がある。〔説文〕十下に「忘るるなり」とあり、〔漢書、揚雄伝賛〕に「時に人皆之れを㫚(ゆるがせ)にす」のように、字を㫚とし、㫚略の意に用いる。㫚は祝禱の器である曰(えつ)をみだりに啓(ひら)く意の字で、忽略の意は、その㫚開の意と関連がある。「たちまち」と訓する倏・溘・乍・奄は、みな状態をいう形況の語で、忽もその意が原義。その状を恍惚という。
紇(コツ・9画)
初出は不明。カールグレン上古音は不明(入)。藤堂上古音はɦət。部品の「乞」の初出は甲骨文。カールグレン上古音はkʰi̯ət(入)。
学研漢和大字典
形声。「糸+(音符)乞(コツ)」。
語義
- {動詞}切れた糸のはしが、たつ。
- 「叔梁紇(シュクリョウコツ)」とは、孔子の父の名。
- 「回紇(カイコツ)」とは、民族の名。ウイグル。はじめモンゴル、のちトルキスタン地方に住んでいたトルコ系の民族。現在は新疆維吾爾(シンキョウウイグル)自治区に多く住む。「回鶻」「廻鶻」とも。
字通
(条目無し)
大漢和辞典
→リンク先を参照。


コメント