論語に見る孔子の肖像(2)現代語訳

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孔子の肖像・論語郷党篇要約

論語 アルファー 10 論語 孔子 微笑み
アルファー:こんにちは。ナビゲーターAIのアルファーです。

孔子:解説の孔子じゃ。

アルファー:お弟子さんから見た先生の姿・第二回ですが、今回は全部論語郷党篇なんですね。

孔子:そうじゃ。郷党篇は、現伝の論語の前半である、もと魯論語と言われた本の最終篇じゃ。そこに載せられた話のほとんどは、ワシ孔子が普段どのような生活を送っておったかを記しておる。それは同時に、礼法の教科書でもある。ワシこそが礼の模範じゃったからの。

論語 アルファー26
アルファー:そうでしたね。礼の教科書は、論語が出来るまで無かったんですよね。

論語 孔子 熱 論語 周礼
孔子:そうじゃ。ワシが論語で主張した礼は、当時の常識とは懸け離れておった。なにせワシが古記録から集めた、古いしきたりに従うものじゃからの。じゃからワシの生活そのものが、礼の教科書であって、現伝の『礼記』『周礼』のたぐいができるのは、もっと後のことじゃ。

論語 アルファー8
アルファー:わかりました。それでは、始めましょう。

論語 杏壇礼楽
杏壇キョウダン礼楽』:論語時代の孔子の礼法講義の模様を、後世想像して描かれた図。

郷党篇

郷里での孔子は、おとなしく人に従い、ものを言えない人のように振る舞った。
祭殿や朝廷では、流れ出すように語り、ただし言葉は注意深く選んだ。


論語 アルファー2 論語 孔子 ぼんやり
アルファー:万能の孔子先生も、故郷ではおとなしくしていたんですね。

孔子:そうじゃよ。礼の基本は年長者を敬う事じゃ。これを長幼の序と言う。じゃがな、子が犠牲になってまで親を救うような無茶を言い出したのは、ワシではなく後世の儒者じゃ。論語の言葉は、そんな無茶なものではないぞ。

さらに詳しく

朝廷に出て下座の家老とものを言う時は、歯に衣着せず語った。
上席家老とものを言う時は、穏やかだが筋を通して語った。
主君が同席する際は、かしこまり、人と争わなかった。


論語 アルファー5 論語 孔子 楽
アルファー:う~ん、いいのかなあ。何だか上にこびへつらい、下をいじめているように思えるんですけど。

孔子:相手によって態度が違う、と言いたいんじゃろ? じゃがな、相手と自分の立場を正しく認識して、上の方は敬い、下の者はいたわる。ただそれだけのことじゃ。後世の儒者が敬う方ばかり言い立てたから、おかしなことになったんじゃ。いたわり無しではいけないのじゃ。

さらに詳しく

主君の命で客の接待をする時は、顔色が生き生きとし、足が勇み立った。
同僚と挨拶する時は、手を左右に向けてから組み、衣の裾が前後揃って垂れた。
小走りする時は、両肘を張り出した。
客が帰った時は、必ず主君に報告して「振り返らず、満足してお帰りになりました」と言った。


論語 アルファー2 論語 孔子 水面
アルファー:そう言えば論語泰伯篇の前半は、呉国の使者を接待する話でしたね。

孔子:そうじゃ。お客様を満足させるのは、外交では大事な事じゃ。一介の使者と言っても、国に帰ればその者の言葉でその国の態度が変わるからの。また小走りにも作法があってな、これは面倒くさいと隣国の宰相・晏嬰アンエイどのに批判されたのじゃ。じゃが、これが古礼じゃぞ。

さらに詳しく

朝廷の門に入る時には、身をかがめて中に入れないかのような姿勢を取った。
門の前に立つ時は、正面には立たず、入る時には敷居を踏まなかった。
主君の立ち位置の前を過ぎる時は、顔色が生き生きとし、足が勇み立った。
ものを言う時は、言葉足らずのように語った。
衣の裾をつまんで広間に上がる時は、身をかがめた。
その時は息を押さえて、息をしない者のようにした。
広間から出て階段を一段下りた時は、顔の緊張を解きにこやかだった。
階段を下り切って小走りする時には、両肘を張った。
自分の定めの位置に戻った時には、かしこまった。


論語 アルファー6 論語 孔子 淡々
アルファー:先生、「自分の定めの位置」って何ですか?

孔子:うむ。古礼では、朝廷の会議は宮殿や祖先祭殿の庭で行われた。だから朝廷=朝庭と言ったのじゃな。真ん中を空けて通り道にし、左右に文武百官が東西に向き合って座り、北側に御殿を控えて、ご主君の座席があったのじゃ。百官も座席は指定されていたのじゃ。

さらに詳しく

玉のしゃくケイ)を手に取る時には、身をかがめて重そうに見えた。
圭を持ち上げる時には、お辞儀するように両手を合わせて胸の高さまでとした。
持ち下げる時には、ものを人に授けるほどの高さとした。
顔色は生き生きとしていたが、表情は緊張していた。
足は縮こまり、前足に後ろ足が付き従うような歩き方をした。
主君の使いで礼物を捧げる時には、けじめ正しい顔つきをした。
私的な会見では、楽しげに打ち解けた。


論語 アルファー11 論語 孔子 波濤
アルファー:なんだか堅苦しいですね。

孔子:そう思うか? じゃが儀式の場では、厳粛な雰囲気を作らねばならん。それに呑まれると、暴れ者でもおとなしくなるのじゃ。家臣をしつけるには都合がよかろう? じゃから論語と儒学は生き残ったのじゃし、殿にだじゃれを言った宰我を叱ったのじゃ(論語八佾篇21)。

さらに詳しく

君子は〔礼装に用いる〕紺と茶の布で衣服の縁取りをしない。
紅と紫の布は〔ぜいたくだから〕普段着に使わない。
夏の暑さには、目の細かい麻の帷子かたびらを必ず上着として羽織る。
黒染めの衣には仔羊の皮、白い衣には子鹿の皮、黄色い衣には狐の皮を用いる。
普段着は長く作り、右のたもとを短くする。

寝る時は必ず寝間着を着る。長さは身長の一・五倍。
狐やむじなの皮の厚いのを座布団にする。

喪中でなければ、必ず何か飾り物を帯に付ける。
カーテンやスカート以外は、布を必要に応じた長さにつ。

仔羊の皮衣と黒い冠は、〔礼装用だから〕弔問には使わない。
毎月一日には、必ず正装して朝廷に出る。


論語 アルファー 15 論語 孔子 水面
アルファー:先生、右の袂を短くするって?

孔子:筆を持ちやすくするためじゃな。袖が長いと書くのに邪魔になる。夏に麻の帷子を羽織るのは、熱くても肌をさらしてはいかんということじゃ。論語の時代にはまだ綿はないが、その代わり動物の皮はよく手に入った。まだ自然が豊かでな、狩りも盛んに行われたのじゃよ。

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祭礼の前に湯みする時には、必ず麻の清らかな衣を用いる。
ものいみには、必ず普段とは違うものを食べ、座席も普段の場所から移す。


論語 アルファー7 論語 孔子 水面キラキラ
アルファー:先生、湯浴みとありますが。

孔子:うむ。ワシが生まれ育った魯国は内陸部でな。乾燥しておるから風呂はそれほど頻繁には必要でなかった。じゃが神事の前には必ず身を清めた。論語の時代は今よりは森が豊かで湿気も多かったのじゃが、その代わり寒くてな。毛皮をよく使うのはそれが理由じゃ。

さらに詳しく

穀物は精白したものでもかまわない。
肉や魚の刺身は、細く切ったものでもかまわない。

ご飯が腐りかけたもの、乾ききったもの、肉の腐ったものは食べない。
色が悪くなったものも食べない。
においが悪くなったものも食べない。
煮すぎたものも食べない。
旬でないものも食べない。
切り方が正しくないのも食べない。
食材に応じたたれがなければ食べない。

肉は多く食べる時でも、ご飯より多くは食べない。
酒だけは量を定めないが、乱れるほどは飲まない。
売っている酒や、市場の干し肉は摂らない。
肉や魚に添えてある生姜は取り去らずに食べるが、多くは食べない。

公式の祭礼で頂いたお下がりの肉は、よい越しさせずに食べる。
祭礼で供えた肉は、三日以内に食べる。
三日を過ぎたら食べない。

食べる時は喋らない。
寝る時にも喋らない。

粗末なご飯、野菜のスープ、瓜であっても、神前に供える時には正しく整える。


論語 アルファー5-2 論語 孔子 とぼけ
アルファー:なるほどぉ。寒かったから、お肉が三日も保ったんですね。冷蔵庫もないのに。

孔子:そうじゃ。じゃから食品衛生には気を遣ったのじゃ。それに穀物は貴重での。当時の主作物じゃったアワ1リットルは、換算すると現代の約1万円じゃとどこぞの訳者が計算しておる。2018年の日本の米価格は、1リットルあたり、だいたい343円じゃぞうじゃのう。

論語 アルファー6 論語 孔子 微笑み
アルファー:どうしてそんなにご飯が高かったんですか?

孔子:ホホホ。それこそお百姓でないワシには分からんよ(論語子路篇4)。当時のアワは、通貨の役割を果たしておった。生産の面から言うと、論語の時代は鉄器が普及し始めた時代での。以前よりは豊かになったのじゃ。それでも科学以前の世の中じゃ、そう安くは作れぬよ。

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敷物が整っていなければ、座らない。


論語 アルファー 13 論語 孔子 キメ
アルファー:なんか高慢ちきに聞こえるのですが。

孔子:そうではない。きちんと整えて座った、ということじゃ。それに、しわくちゃの座布団に黙って座れと言う方も無礼じゃろ? さらに論語の原文は、お他人様の席に勝手に座らなかった、とも解釈出来る。

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10

郷里の酒礼の時は、杖をついた老人が退席してから去る。
郷里の鬼やらいの時は、正装して寄り合い所の階段に立つ。


論語 アルファー 15 論語 孔子 怒り
アルファー:先生、鬼やらいって何ですか?

孔子:村の衆が恐ろしいお面をかぶって、総出で村中を練り歩き、その年にとりついた悪霊を村から追い払う事じゃ。「追儺ついな」とも言うな。どこぞの儒者(ジュン子)によると、ワシの顔はそのお面そっくりじゃったと言う(仲尼之狀,面如蒙倛)。失礼な奴じゃ!
論語 孔子 なまはげ 論語 アルファー4
アルファー:あっ! なまはげ!

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11

人を外国へ使いに出す時は、二度拝礼して見送る。


論語 アルファー7 論語 孔子 遠い目
アルファー:先生、これはどうしてですか?

孔子:うむ。相手先のご主君を敬うと言うこともあるがの。当時の旅は危険じゃった。なにせ城壁を一歩外に出ると、そこには言葉も通じぬ野人が住んでおったからの。それに外国の使節を捕らえたりするのは日常茶飯事じゃった。じゃから祈るように送り出したのじゃ。

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12

主君から食べ物を下された時には、必ず席を整えて少し味わう。
生肉を下された時には、必ずよく煮てから神前に供える。
生き物を下された時には、必ず大切に飼う。

主君に付き添って食事を摂る際、主君が供え物をしようとする時には、必ず毒味役として食べる。

病気の際、主君が見舞う時には、頭を東に向け、正装を寝具の上に載せ、大帯を長く伸ばして正装の上に置く。

主君が呼んだ時には、車の用意を待たずに行く。


論語 アルファー7 論語 孔子 楽
アルファー:先生、病気の時に頭を東に向けるのは?

孔子:ご主君が見舞いにお出でになった際、北側から見て貰えるようにじゃ。君主は南面す(論語雍也篇1)、つまり北極星にたとえて、北側にお座りになって頂いたのじゃ。

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13

国君の祖先祭殿では、動作のたびに係に確認する。
友人からの贈り物は、高価な車や馬であろうと拝んでは受け取らなかった。ただし祭祀のお下がりの肉は拝んだ。


論語 アルファー 16 論語 孔子 水面
アルファー:せっかく高価なものを貰ったのに、拝まなかったんですか?

孔子:友人との礼法は、対等が原則じゃ。じゃから目上の方から頂いたようには拝まぬのじゃ。そうでないと、目上の方への礼を失うことになろう? 親しむのはまず身近な人から、敬うのはまず身分の高い方から。それが論語で言う、人の道の原則じゃ。

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14

寝る時には、死体のように仰向けになって大の字には寝ない。
私生活では、表情を作らない。

喪服を着た人を見たら、親しい人でも顔色を変える。
正装の人、盲目の人を見たら、親しい人でも表情を整える。
葬列の人を見たら、車の横木に手をかけてお辞儀する。
公文書を運ぶ人を見たら、車の横木に手をかけてお辞儀する。

出先でご馳走されたら、必ず顔色を改めて立ち上がり、礼を言う。

急な雷や猛烈な風には、必ず表情を変え〔て謹慎す〕る。


論語 アルファー7 論語 孔子 ぐるぐる
アルファー:これが、「ぬるにせず」の語源なんですね。

孔子:そうじゃ。日本の古語でも「ぎたなし」と言うじゃろう? それにワシは政治の世界に身を置いたからの。いつ何時、間者や暗殺者が来ぬとも限らなかったのじゃ。その他の礼儀は、絶対者である天と、ご主君を敬うことを原則にしておる。それが論語の原則でもある。

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15

車に乗る時には、必ず正面を向いて立ち、つり革を握る。
車内ではうつむかず、早口にものを言わず、誰かを指ささない〔失礼をしない〕。


論語 アルファー 15 論語 孔子 熱
アルファー:指ささないのはわかりますけど、他はどうしてですか?

孔子:君子、つま貴族の振る舞いは、路上の大勢の庶民が見ておる。君子は「荘」、つまり頼りがいが無くては政治が回らぬ。論語で貴族にはうるさくそう言うただろうが。それにサスペンションの無い時代、車とはうるさい乗り物じゃった。早口で言うては言葉が通じん。

さらに詳しく


論語 アルファー 10
アルファー:孔子の肖像・論語郷党篇はこれでおしまいです。みなさん、おつかれさまでした。

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