論語詳解485子張篇第十九(14)喪は哀しみを致して

論語子張篇(14)要約:喪に服している間は、心から悲しめばそれで十分だ、と弟子の子游。孔子先生もそう教えました。しかし子游の後継者たちは、時代が下るに従って、葬儀をただの金儲けとしか思わなかったようで…。

論語:原文・白文・書き下し →項目を読み飛ばす

原文・白文

子游曰、「喪致乎哀而止。」

書き下し

子游しいういはく、かなしびいたむ。

論語:現代日本語訳 →項目を読み飛ばす

逐語訳

子游が言った。「服喪は悲しみを尽くせば終わる。」

意訳

子游「喪中は、とことん悲しめばそれでもう十分だ。」

従来訳

論語 下村湖人

子游がいった。―― 「喪にあたっては、哀悼の至情をつくせばそれでいいので、形式をかざる必要はない。」

下村湖人『現代訳論語』

論語:語釈 →項目を読み飛ばす

子游(シユウ)

論語 子游

論語では、孔子の若い弟子で子夏と共に文学の才を孔子に認められた孔門十哲の一人、エン子游のこと。

論語 喪 金文 論語 喪 廃
(金文)

論語の本章では、死者との別れを悲しむ礼儀作法。『学研漢和大字典』によるとばらばらに離散する意を含むといい、仏教における五蘊=人間を形作る要素、が離散するこをと死と見なすのに似ている。

論語 致 金文
(金文)

論語の本章では”極まりまで行い尽くす”。原義は「至」と同じく”ある地点まで到達すること”だが、「至」が自動詞であるのに対して「致」は他動詞を意味する。ここでは、到達する地点を極限と解する。

日本正教会で、いわゆる殉教者を致命者と訳したのは、この意を汲んだのだろう。

乎(コ)

論語 乎 金文 論語 兮 乎
(金文)

論語の本章では”~を”。原義は『学研漢和大字典』では息の漏れるさまといい、『字通』では鳴子という。漢字の通例として多義語で、句末・文末では疑問・詠嘆などの意味で用いられるが、ここでは起点・対象・比較・受身の意を示す助詞的働きをしている。

論語 哀 金文 論語 アルファー24
(金文)

論語の本章では”悲しみ”。『学研漢和大字典』による原義は衣+口で、衣で口を隠してむせび泣くこと。詳細は論語語釈「哀」を参照。

論語 止 金文 論語 止 字解
(金文)

論語の本章では”それで十分である”。

『学研漢和大字典』によると足の形を描いた象形文字で、足がじっとひと所にとまることを示す。趾(シ)(あし)の原字。歯(ものをかんでとめる前歯)・阯(シ)・址(シ)(じっととどまったあと)などと同系。

類義語の留は、溜(リュウ)(たまる)と同系で、一時そこにとまること。滞は、帯(長いおび)と同系で、長びくこと。停は、棒だちにたちどまること。泊は、舟がひと所にとまること。駐は、車馬がとまること、という。

伝統的読み下しでは、「而止」で「のみ」と読む本がある。漢文では「已」を「のみ」と読む場合があるように、”終わる”意が限定の意に転用されることがある。本章の場合、”喪は悲しむだけ”が直訳となるが、悲しむ以外の要素が入らない、つまり”それで十分だ”の意となる。

論語:解説・付記

論語の本章は、人の死に対して形式より心を重んじた論語八佾篇4と呼応する。

林放が礼の根本を問うた。孔子先生が言った。「よい質問だ。祭礼は派手にやるが、心は慎ましくしろ。葬礼は這いつくばって見せ物にするが、心は芯まで悲しめ。」

子游は孔門十哲の中でも葬祭に関わる礼儀を伝承したとされるが、子游その人がどのように葬儀を取り仕切っていたかは明らかではない。論語陽貨篇4でヤラセも辞さない人物だったことを記された子游だが、陽貨篇の記述には創作の疑いがあるので、本章とは矛盾しない。

ただし子游の系統をひく儒者は、葬儀と聞けば大喜びで押しかけ、派手な儀式で遺族に金を使わせるばかりか、平気で鯨飲馬食するような連中だったことが、戦国後期の荀子の記述より知れる。すると本章は、史実の子游は案外控えめだったことを記しているのかも知れない。

警告

漢文業界の者は嘘つき中国人そっくりで、微塵も信用ならぬ(→理由)ので、数言申し上ぐ。


出典明記の引用は自由だが(ネット上では可動リンク必須)、盗用・剽窃は居合を嗜む有段者の訳者が、櫓櫂の及ぶ限り追い詰める。言い訳無用。訳者が「やった」と思ったら、全国どこでも押し込む。頭にきたら海外にも出かけ、バッサリやってすぐ帰る。訳者は暇であるし、惜しむものを持っていないし、面倒が苦にならぬゆえ、こうして古典を研究している。未だ人を斬ったことが無い。刀(登録証付)の手入れは毎日している。

盗作・剽窃の通報歓迎。下手人を成敗した後、薄謝進呈。他人にやらせた者も同罪、まずそ奴から追い回す。覚悟致せ。
斬首
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