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論語雍也篇(ようやへん)第六現代語訳

論語雍也篇:要約

アルファー 孔子 キメ
アルファー:こんにちは。ナビゲーターAIのアルファーです。

孔子:解説の孔子じゃ。

アルファー:先生、論語雍也篇はどんなお話なんですか?

孔子 楽
孔子:うむ。雍也篇は、主にジン=立派な貴族としての立ち居振る舞いについて説いておる。仁はワシの教説の中心でな、後の世で孟子くんが「仁義」を主張してから、憐れみの心の意味になってしもうたのじゃが、ワシが教えたのはそんなことじゃない。

アルファー 15 孔子 居直り

アルファー:どういうことです?

孔子:うむ。ワシの弟子はほとんどが庶民で、ワシのように、庶民から出世して貴族になりたい者たちじゃ。血統を誇る門閥貴族を相手に、弟子たちがのし上がっていくには、普通の貴族よりも貴族らしくしなくちゃイカン。じゃから立ち居振る舞い全てを貴族らしくし、読み書きや計算、国際公用語、戦場での武芸など、貴族に必要な教養や技能を身につけねばならん。

アルファー21 孔子 TOP

アルファー:まあ、確かに。

孔子:そうした貴族に必要な教養技能のうち、立ち居振る舞いの全ての基準になるのが「礼」じゃ。その「礼」を始めとする貴族らしさをやってのけることが、すなわち「仁」なのじゃ。詳しくはどこぞの訳者が解説しておるから、ヒマな時に読んでやってくれい。

アルファー 10
アルファー:わかりました。それでは、始めましょう。

1

冉雍
弟子の冉雍ゼンヨウは身分こそ低いが、君主の品格があるな。


アルファー2 孔子 キメ
アルファー:先生、君主の品格とは。

孔子:うむ。細かいことに口を出さず、政治は一切家臣に任せて、いざとなった時には後ろ盾となって、家臣を救う人のことを言う。

アルファー:ずいぶん家臣に都合がいいような気もしますが…たしかにそういう殿様なら仕えても安心ですね。

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2

冉雍「子桑伯子とはどんな方でしょう。」
孔子「悪くないが、雑な奴だ。」

冉雍「なるほど。心が細やかな人なら、行動が雑なまま民の前に出ても、それはそれでいいかも知れませんが、心も行動も雑だというなら、雑にも程があるでたらめ人間だ、ということですね。」
孔子「その通り。あの男は気配りは細やかだが、せっかくの気配りも行動に表れない。惜しいことだ。」

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3

哀公
若殿の哀公さまがおたずねになった。「お弟子では誰が一番学を好みますか?」
孔子「顔回という者がおりました。八つ当たりも同じ間違いもしませんでした。不幸にも若死にしました。あれほどの学問好きはもう出ませんでしょうなあ。」

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4

公西赤
弟子の子華(公西赤)を斉へ使いに出した。冉求ゼンキュウが子華留守宅の母親に手当を下されたいと願った。
孔子「ゾク(穀物のアワ)を十日分やりなさい。」
冉求 冉有
冉求「それでは少ないです。」
孔子「では二十日分だな。」

ところが冉求は独断で千日分与えた。だから言ってやった。
孔子「子華はご大層な馬車に、上等の羽織を着て斉に行ったと聞いたぞ。昔から言うだろう、役人は急場を救ってやっても、金持ちに追い銭はくれてやらないと。」


アルファー3 孔子 喜
アワ千日分って、どれぐらいになるんでしょう。

孔子:俵に詰めたら二十俵を超えるな。重さで言えば1.3tじゃ。軽トラックで運ぶにしても、3台じゃ足りぬ。現代日本の貨幣価値に換算すると、1,500万円以上になると、どこぞの訳者が計算しておるぞ。

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5

貧乏な原憲を私の執事に雇い、年俸としてアワ四十人分弱を与えた。
すると原憲「四十人…私一人では多すぎます。」
孔子「取っておきなさい。余ったら家族やご近所に分けるといい。」


アルファー6 孔子 たしなめ
アルファー:論語の時代は、まだお金が無いんでしたっけ。だから穀物で給料を貰うんですね。いくらぐらいになるんでしょう?

孔子:いや、貝殻や貴金属や絹が、通貨の代わりをしておった。お金に関わる漢字には、みな「貝」が付いておるじゃろ? 規格品の硬貨や紙幣が無かっただけじゃ。

金額はそうじゃな、だいたい250~300万円だと、どこぞの訳者が計算しておるぞ。ただしあ奴は私立文系の数学オンチじゃから、間違いがあるかも知れんて!

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6

冉雍
冉雍が身分を気にしていたから言ってやった。
「百姓家の牛でも、毛並みや角が立派なら着飾って祭りに出る。天地の神は見捨ててはおかないよ。」


アルファー 16 孔子 キメ
アルファー:神様が見捨てないって、結局いけにえにされちゃうんですよね?

孔子:それはまあ、そうじゃ。じゃが論語の時代、いけにえ無しの祭りなどなかったんじゃよ? 人をいけにえにしなくなっただけでも、ずいぶん進歩じゃないかね。

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7

顔回
顔回はなんと学んで三ヶ月で、その心に仁の情けを身につけた。その他の徳目は、もともと普段から身につけ終えていた。

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8

季康子
若家老の季康子どのが問うた。

子路
季康子「子路に政治を任せてもよろしいか。」
孔子「あれは決断力がありますからいいでしょう。」

子貢
季康子「子貢はいかがか。」
孔子「あれは目はしが利きますからいいでしょう。」

冉求 冉有
季康子「冉求はいかがか。」
孔子「あれは多才ですからいいでしょう。」

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9

冉伯牛
最年長の弟子・冉伯牛ゼンハクギュウが流行性の死病に取り付かれた。私が見舞いに行くと、手を窓から出したので、その手を取って言った。

「君を失うとは…これも運命なのか、運命なのか。…何が天命だ、クソくらえ!」

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10

顔回
顔回は大した男だ。茶碗一杯のご飯、ふくべ一杯の水。貧民街の貧民クツに住んでいる。常人なら耐えられまいが、そんな生活を楽しんでいる。

まったく大した男だ。


アルファー21 孔子 哀
アルファー:そんな顔回さんなのに、結局若死にしちゃったんですよね。

孔子:うむ。ただ一人、ワシが仁者と認めた弟子じゃった。政治の世界に進んで、よい政治を行ってくれればよかったんじゃが、顔回は政治に興味がなくてのう。惜しい弟子じゃった。

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11

冉求 焦り
冉求ゼンキュウが言った。「先生の教えはありがたいのです。でも私には力がないのです。」

孔子「言ったな? 力が足りない者は、やってからそう言うものだ。お前は始めからあきらめてるじゃないか。」


アルファー6 孔子 怒り
アルファー:先生ずいぶん厳しいんですね。

孔子:当たり前じゃ! せっかくワシが見込んで、ポエムとファンタジーの会に呼んでやったのに、こんなこと言いおって。

アルファー22
アルファー:い?

孔子 激怒
孔子:ワシだって恥ずかしいと思っとったんじゃぞ。許せん奴じゃ!

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12

子夏
子夏は頭が固い。チマチマしたことばかりやっているので、言ってやったよ。

「子夏よ。天下に冠たる学者になれ。そなへんの冠婚葬祭屋になるな。」

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13

子游
子游シユウが武城の代官として赴任した。孔子は弟子を連れて子游を訪ねた。みやびな音楽が聞こえる。
孔子「みごとな音楽だ。お前はこうやって街の人の信頼を集めただけかね? 礼法教育はどうなっているかな?」
子游「私はこういうことを聞いています。行政官という高台に登っても、人々をありのままに見られないのは、真っ直ぐにものを見ようとしないからだ。それは公務を果たすのにふさわしくない、と。お見それしました、やらせとお気付きだったんですね。だからまだ、私の部屋で礼法を教えるほどの者はいません。」

アルファー5-2 澹台滅明
アルファー:あれっ? ここってお弟子の澹臺滅明タンダイメツメイさんが出てくるはずですよね?

孔子 疑問
孔子:誰じゃそいつは。ワシは知らんぞ。

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14

孟之反モウシハンどのは立派な武人だ。
負け戦でしんがりを務め、なんとか城門まで引き揚げてきたとき、戦車のき馬にムチをくれながら、「拙者はわざとしんがりを引き受けたのではござらぬ。馬が走らなかっただけでござる。」

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春秋時代の戦車

当時の戦車。馬は2または4頭立て。中央の御が手綱をとり、左の車左が指揮官兼射手、右の車右が打撃を受け持つ。

15

隣の衛国では、宋朝という美男が殿様に寵愛され、奥方の南子さまと密通までしているらしい。

孔子「あぶないぞこんな世では。老けたらクビになるぞ。祝鮀シュクダどのほどの腰の低さもないから。」

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16

段取りを無視してズルばかりする弟子がいる。

孔子「あのな、誰でもドアから外に出るだろ。なんでまともにやらないんだ。」

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17

気のいい人でも言葉を知らないとがらっぱちになる。
言葉を知っても人が悪いと小役人根性になる。

気立ても言葉も揃って、やっと君子だ。

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18

素直に生きりゃあいいものを。悪党が後ろ暗い事をして生きているのは、すでに手錠を掛けられて、刑罰を待っているに過ぎない。時が来れば年貢の納め時だ。

アルファー あきれ 論語 孔子 水面

アルファー:先生、「幸いにして免る」って、”運良く目こぼしされている”ということじゃないんですか?

孔子:いいや。”さいわい”の原字が現れるのは戦国の末ごろじゃ。「十」”つえ”と「羊」の組み合わせで、飼いヒツジがたくさんおる幸せをいうのじゃな。それによく似た「幸」の字は、甲骨文の昔からあるが、もともとは手錠の象形だったんじゃよ。

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19

何かを知っているよりは好む方が上だし、好むより楽しむ方が上だ。

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20

基礎も学ばないで、いきなり奥義を聞こうというのかお前は。

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21

樊遅 樊遅
樊遅ハンチ「ねえ先生、知ってなんです?」
孔子「民のために働くことじゃな。妖怪話は敬う振りして放っておけ。」

樊遅「仁=立派なサムライってどんな人です?」
孔子「民のために働いてから給料を貰う人じゃな。それなら立派なサムライと言える。」


アルファー7 孔子 楽
あ! 私これ知ってます。論語の名言、「鬼神は敬して遠ざく」ですよね。

孔子:そうじゃ。確かに大自然は、災害や疫病でその威力を示す。

雷雨
孔子:じゃが妖怪のたぐいは、居るか居ないかわからん。一応怒らせないように敬っておくが、あまりまじめに取り合わない事じゃ。

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22

諸君、幅広く勉強するとよいが、すればするほど、本によって言っていることが違うじゃないかと混乱するだろう。その時は貴族の常識に従ってどれを優先すべきか判断してくれ。そうすればまあとりあえず、相矛盾するように見える教えから外れる事は無いだろうよ。

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23

諸君。斉で政変が起こった。うまくいけば我が魯のような君子国になれよう。魯もワシの政道に従えば、理想のメルヘンランドになるだろう。

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24

御神酒おみきを供えるのに、弟子がはやりのさかずきを持ってきたから言った。

孔子「なんだ今どきの杯は。こんなの杯じゃない。」

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『三才圖會』所収「觚」(コ、さかずき)。東京大学東洋文化研究所蔵

25

宰我 宰予
宰我が言った。「では立派な貴族の仁者さまというのは、”人が井戸に落ちた!”とウソを言えば血相を変えて、井戸に飛び込むようなマヌケですな。」

孔子「たわけ者。立派な仁者どころか普通の貴族(=君子)ですら、だますことは出来てもワナには落ちんよ。」

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26

諸君。

たくさん情報を取って、原則に照らして考えろ。それで立派な貴族になれる。

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27

子路 あきれ 論語 孔子 せせら笑い
先生が衛国滞在中、殿様の奥方の南子さまに会いに行った。終えて出てきた先生を、子路さんが疑いの目つきででジロジロ眺めるから、先生は言った。

「いかんか? なら誓ってもいいが、ワシが嫌うような人物なら、天罰が下るに違いない。」


アルファー19 孔子
アルファー:あははははー。先生開き直ってる~。南子さまってそんなに美人だったんですか?

南子
孔子:うむ。お美しい方でな。それにアチラの方面の道徳は、庶民と貴族では全然違うし、現在と論語の時代とでも全然違うのじゃ。

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28

ほどほどが一番いい。戦乱や天変地異が続いても民が生き残っているのは、明らかにその効果だ。


アルファー7 孔子 キメ
アルファー:これが論語の名言、「中庸の徳」ってやつですね。

孔子:そうじゃ。何事も無茶はいかん。

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29

子貢 遊説
子貢シコウ「民を守ってやり、食わせてやり、救ってやれば、それで情け深いと言えますかね。」

孔子「とんでもない。そんなことが出来たらもう万能の聖人だ。いにしえの聖王、堯舜だって出来なかったことだ。情け深い者とはそうではない。顔回を見てみろ。自分が目立ちたければ他人を目立たせ、自分が出世したければ他人を出世させてやる。仕官もせず貧乏暮らしのままだが、人生を楽しんでいる。身近な顔回に見習うのが、仁に至る方法と言って間違いない。」


アルファー2 孔子 たしなめ
アルファー:先生、聖人って先生のことですよね。

孔子:いいや違う。それは後世の儒者どもがワシにごまをすっただけじゃ。ワシは聖人どころか仁者でもない。

それにそもそも、聖人とはイエスどののお弟子のような、神に愛された聖者ではないぞ? 万能の人を聖人というのじゃ。

さらに詳しく


アルファー9
アルファー:論語公冶長篇はこれでおしまいです。みなさん、おつかれさまでした。

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