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論語憲問篇(けんもんへん)第十四現代語訳

論語憲問篇:要約

アルファー 10 孔子 熱
こんにちは! ナビゲーターAIのアルファーです。

孔子:解説の孔子じゃ。

アルファー2 孔子
アルファー:先生、論語憲問篇とはどんなお話なんですか?

孔子:うむ。過去や外国の君主・政治家について、ワシ孔子が評論しているのが目立つ程度で、特に方向性を持っておらん。

アルファー6 孔子 不愉快
アルファー:あれま。論語の後半って、ほとんどそうですよね。いろんな言葉のごった煮?

孔子:宝石箱と言わぬか。いまの論語がまとまったのは、漢帝国の時代じゃが、帝国の儒者が自分に都合のよい言葉を、魔女が薬を作るようにどんどん入れたのじゃな。こういうこしらえ事の始まりは、漢帝国よりはるか前、戦国時代の中ごろの孟子くんあたりから証拠が出てくる。

アルファー5

アルファー:孟子さんが編集に手を出したわけは? 確か、先生より百年後の人なんでしょう?

孟子 お笑い芸人

孔子:うむ。孟子くんはやり手の世間師でな。孟子くんの頃には、儒家はほとんど滅びておった。そこに目を付けた孟子くんは、言葉だけ論語のを借りて、自分の主義主張を論語にねじ込んだ。もちろんそれは、殿様方に買って頂くためじゃ。じゃから平気でうそデタラメも書き込んだのじゃな。

アルファー 13

アルファー:ひっどーい。じゃ、先生の言葉を勝手に書き換えて、自分の商売ネタにしたんじゃないですか。

孔子:そうじゃよ? 「仁」=貴族らしさが、「仁義」=情けや憐れみ、に書き換わったようにの。じゃが孟子くんが出なんだら、儒学も論語も生き残れなかったかも知れぬ。その意味では、孟子くんには感謝せぬとな。

アルファー21

アルファー:そう言われると、そうですよね。ま、とにかく始めましょう。

1

原憲
原憲が恥を質問したので答えた。

「国政がまともな時は仕えて給料を貰う。まともでない時に仕えて貰うのは恥だ。」
原憲「なぜです?」
孔子「手を貸して、もっとまともでない世にするのかね?」

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2

誰か「人を力まかせに打ち破り、武力で攻め立てる。何事にも「ひどい」とうらみを言い、そして欲張り。こうしたことがなければ、立派な貴族と言えますか。」

孔子「あ? 君子たるもの、有事に戦場働きが出来んでどうする。それにうらみと欲張りは程度の差こそあれ、人がついついやってしまうことだ。だからやらないで済ますのは難しいとは言えるが、それで立派な貴族かどうかは、私には分からんよ。グズグズ綺麗事を言うよりほれ、さっさと武芸にも励まんか。」

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3

のんきに暮らしたいなら、貴族になれる見込みは無いぞ。

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4

政治がまともなら、言葉も行動も、多少の危険は背負って思い切りやってもいい。だがまともでないとなると、行動は危険を伴ってでも切り抜けるしかないが、言葉は目立たぬよう人に合わせろ。さもないとひどい目に遭うぞ。


アルファー25 孔子 ぐるぐる
アルファー:先生、これはどうしてですか?

孔子:論語の時代に限らず、中国の君主や権力者には、むやみに家臣や部下に危害を加える者が珍しくない。そんな暴君にものを言うと、危なくて仕方がない。弟子には身を守るすべを教えたのじゃ。

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5

秘めたるパワー(徳)に満ちた者は、何事に付け一家言ある。
一家言あってもパワーのない者も居る。

仁者(立派な貴族)は必ず勇者だ。
勇者は必ずしも仁者ではない。

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6

南宮括 子容
弟子の南宮适ナンキュウカツが言った。

「大昔の羿ゲイは弓矢の天才で、ゴウは船を揺らすほどの力士だったが、つまらぬ死に方をした。ショクは自分で畑仕事をしながら天下を治めた。なぜでしょう。」
孔子「…。」

南宮适が去ったので、言った。「う~む感心感心。教養のある立派な人格者だ、彼は。」


アルファー2 孔子 楽
アルファー:先生、南宮适さんって誰ですか?

孔子:若い頃のワシを援助してくれた門閥貴族、孟孫氏のご当主の弟君じゃ。南宮敬シュクとも呼ばれるな。ワシと一緒に洛邑に留学し、ワシが放浪中には火消しとしても活躍したぞ。後世の儒者は、弟子で玉磨きの歌を歌った南容と、同一人物としておるが、それは間違いじゃ。

アルファー 16 孔子 笑い
アルファー:それにしても、なんで黙っていたんです?

孔子:ホホホ。こりゃ後漢儒者のでっち上げじゃ。

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7

身分が高くても貴族らしくない者は、すでに居る。
凡人に貴族らしい者は、今のところ居ない。


アルファー11 孔子 水面キラキラ
アルファー:これって身分サベツみたいで、何かキライ。

孔子:ふむ。そうも取れるな。しかし論語の時代は戦乱の時代じゃ。鉄器が普及し始めて、世の中が騒がしくなっての。生き馬の目を抜くような社会だったんじゃよ。知性で本能を押さえ込まぬと、仁者になるのはむつかしかったんじゃ。市井の人にも、良き人はおったぞ?

アルファー 12 孔子 波濤
アルファー:本当にそう思ってたんですか?

孔子:本当じゃとも。ほれ、論語公冶長篇27で言うたじゃろ? 「家十軒の村にも、私と同じように誠実なお人がおる」と。それにな、「今のところいない」と言うたじゃろ? つまり弟子の諸君も勉強と稽古次第で、貴族になれると励ましたのじゃよ。

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8

諸君。
私はこれでも君たちを愛しており、いたわっているよ?
偽りなく君たちを想い、だからこうして教えているよ?


アルファー25 孔子 微笑み

アルファー:先生、前半の解釈は、”愛しているから試練を与える”じゃないんですか?

孔子:ホッホッホ。そりゃそういう趣味の蘇東坡くんが言い出し、同好の士の朱子くんが勝手に論語に書き付けたホラじゃ。真に受けるでない。
蘇軾 蘇東坡 朱子

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9

テイ国では、政令は裨諶ヒジンどのが起草し、世叔セイシュクどのが検討し、外交官の子羽シウどのが美文に仕立て、東里にお住まいの子産シサンどのが表現をなめらかにした。

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10

鄭子産
ある人「鄭の宰相・子産どのをどう思います?」
孔子「恵み深い人だな。」

ある人「楚の家老・子西どのは?」
孔子「あのお人はなあ…なあ…。」

ある人「斉の宰相・管仲どのは?」
孔子「●な人だな。家老の伯氏の領地を没収して冷や飯を喰らわせたが、伯氏は死ぬまでうらまなかったと言うからな。」


アルファー6 孔子 微笑み
アルファー:先生、●って?

孔子:ここも歯抜けじゃな。古来欠字で意味は分からぬ。

アルファー:子産さんは、先生を可愛がってくださった鄭の家老さんですよね。管仲さんは、斉の名宰相で私も知っています。でも子西さんって誰ですか?

孔子 怒り
孔子:ワシが楚国にほとんど仕官が決まりかけていたのを、楚王さまに申し上げて「なし」にしてしまった男じゃ。思い出しても腹が立つのう。

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11

貧乏して愚痴を言わないのは難しい。
富んで威張らないのは簡単だ。

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12

我がの家老孟公綽モウコウシャクどのは、大国のチョウの家老でも十分務まるだろう。
小国のトウセツの家老には収まらないがね。


アルファー6 孔子 楽
アルファー:先生、孟公綽さんって?

孔子:孟孫家のお一人じゃ。ワシが若い頃に、魯国の家老の一席をお務めであった。もののよく見えるお方でな、ごく短い言葉しか伝わっておらんが、よきご家老であったぞ。

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13

子路
子路「ひとかどの人物(成人)とは?」
孔子「臧武仲ゾウブチュウの智恵、孟公綽の無欲、卞荘子ベンソウシの勇気、冉求ゼンキュウの多芸多才に、礼法と音楽の教養が加われば、立派なひとかどの人物と言える。」

子路「まさか。今どきそんな人いませんよ。儲け話を聞いても筋が立っているか考え、危機に遭っても命がけで使命を果たし、古い約束でも言ったことは守るなら、立派にひとかどと言えるでしょうよ。」


アルファー2 孔子 水面
アルファー:先生、臧武仲・卞荘子さんって?

孔子:臧武仲どのは、ワシが若い頃の門閥の当主じゃ。論語にはお父上の臧文仲どのも出てくるから、間違えてはいかんぞ。なかなかの賢者でいらしたが、他の門閥に嫌われての。国を追われてしもうた。

宋人 卞荘子刺虎図 国立故宮博物院蔵

卞荘子どのは、弟子の子路の出身地、ベンのまちのお代官じゃ。牛を食い荒らす虎を、二頭も退治したという武勇抜群のお方じゃ。虎退治の話は、司馬遷くんの書いた『史記』の、張儀伝に載っておるぞ。

アルファー 15 孔子 説教
アルファー:先生、ここでは冉求さんをほめてますよね。破門しちゃったのに。

孔子:そっ…それを言うでない! ワシだってあ奴の才能は認めておったんじゃ、才能は。

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14

衛国の長老・公明賈コウメイカどのに、かつてのご同僚、公叔文子コウシュクブンシどのの人柄を尋ねてみた。

「ご老さま、まことでござろうか、あの方は語らず、笑わず、貰わなかったと言うのは。」
公明賈「しょれは違ひましゅな。しょの時が来たら語りました。楽しければ笑いました。貰ふべきは貰ひました。じゃから人はあの方を嫌わなかったのでしゅ。」
孔子「そうでござろうか。まことにその通りでござろうか。」


アルファー2 孔子 水面キラキラ
アルファー:先生、ここに出てくるお二人は?

孔子:うむ。お二方はワシが政界デビューする少し前まで、衛国で重きをなしたお方じゃ。ワシのライバル、陽虎がいくさに出て、勝手に衛国を通っての。衛の霊公さまは大激怒。その時公叔文子どのはすでに引退なされておったが、わざわざお出ましになって、諌めたという。

公明賈どのはそのご同僚で、衛国の生き字引みたいなお方じゃ。

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15

かつて我が魯の家老・臧武仲は領地の防に引き籠もって、自分の跡継ぎを立てるよう魯国に求めた。殿様にすがろうとはしなかったと言われているが、私は信じない。殿様の襄公さまを信じていたのだ。


アルファー5-2 孔子 淡々
アルファー:先生、これがさっき言ってた、「門閥に追い出された」話ですね。

孔子:そうじゃ。儒者どもは臧武仲どのが、武力を背景に殿様を脅した、だからケシカランとワシが言ったように解釈しておるが、間違いじゃ。臧武仲どのは家宝を差し出すなどして、低姿勢でおられたのじゃぞ。

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16

晋文公 斉桓公
晋の文公、斉の桓公はいずれも覇者として名を残した。

文公は小ずるくて公明正大でない。
桓公は公明正大で小ずるくない。


アルファー6 孔子 楽
アルファー:先生、この二人の殿様、そんなに違うんですか?

孔子:大いに違うの。桓公さまは政治を全て、名宰相の管仲どのにお任せになった。じゃが文公さまは、大勢の賢臣に恵まれておったのに、小細工をして死なせたりしておる。ワシにとってよき殿様とは、どっしり構えて全て賢臣に任せ、いざとなったら責任を取るお方じゃ。

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17

子路
子路「斉の桓公は兄の公子キュウを殺して即位しました。残された公子糾の家来のうち、召忽ショウコツは後を追って死にました。しかし管仲は死にませんでした。貴族らしくない卑怯者でしょうか。」
孔子「管仲は桓公を助けて諸侯を九度従わせた。その盟約の折り、戦車で脅して呼びつけはしなかった。これも一つの貴族らしい態度ではないかね? ん? どうだね?」


アルファー5-2 孔子 居直り
アルファー:先生は斉の桓公と管仲さんのコンビが、よほどお好きなんですね。

孔子:当然じゃ。論語での理想的な君臣関係を、まさに実現したお二方じゃからな。

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18

子貢 遊説
子貢「管仲は卑怯者ですか? 公子糾の後を追いませんでした。家来だったのに。」
孔子「管仲は桓公を助けて覇者にさせ、天下の間違いを正した。民は今もなおそのおかげを被っている。管仲が居なかったら蛮族に攻め込まれて、今ごろ私はザンバラ髪に、みっともない服を着て過ごしただろう。下々の者が義理立てして、首をくくって溝で野垂れ死に、誰も知る者はいませんでした、というのとは違うのだ。」


アルファー2 孔子 波濤
アルファー:先生、みっともない服って?

孔子:左前の服の事じゃ。自分から見て左側が前という事じゃぞ? 相手から見ると自分の右襟が前側に出るの。左前の利点は、弓の弦が引っかかりにくいことぐらいで、右利きが多い人類にとって着心地が悪い。

男女とも右前の服を着て、まげを結い、冠をかんざしで止めるのが、中華文明の証しじゃ。

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19

衛ではかつて、家老の公叔文子コウシュクブンシどのが家臣の大夫センを見込んで、身分の低さもかまわず、連れだって朝廷に上がったという。
だから「文」という上品な戒名を貰ったんだな。


アルファー7 孔子 水面
アルファー:先ほども出てきた公叔文子さんですね。身分にかかわらず賢者を重んじろ、ということですか?

孔子:その通りじゃ。ワシは身分低く生まれて、天下の有名人になった。引き上げてくれるお方がおってこそ、人材は活きるし、結果的に国と民を幸せにするのじゃ。

アルファー6 孔子 水面キラキラ
アルファー:それと、「戒名」って? 仏教の習慣ですよね。

孔子:うむ、気付いたか。日本の読者諸賢に分かりやすいように、どこぞの訳者が工夫したんじゃろうな。論語の時代には、もちろん仏教は中国に入ってきておらん。しかし元から、中国人には名前が三つあったんじゃよ。本名、呼び名であるあざな、そして死後のおくりなじゃ。

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20

衛霊公 季康子
衛国の君主、霊公さまは無茶なお人だな。私もひどい目に遭った。そう言ったら若家老の季康子どのが言った。「フフ、その通りだとしたら、なぜ衛国は滅びなかったのか?」
孔子「家臣の出来がよかったからですよ。やり手の仲叔圉チュウシュクギョ(孔文子)どのが外交を、口のうまい祝鮀シュクダどのが祭礼を、抜け目ない王孫賈オウソンカどのが軍を司っていました。これで滅びるわけがありません。」


アルファー 16 孔子 楽
アルファー:霊公さんって、そんなにひどい人だったんですか?

孔子:う~む、まあな。ただ太っ腹なお方ではおわした。亡命してきたワシに、いきなりポンと111億円の年俸を下さったしの。

アルファー28 孔子 疑問
アルファー:ひゃ…ひゃくじゅういちおくえん~!

孔子:何を驚いておる。どこぞの訳者が、2018年の日本の平均年収で換算したらそうなった、というだけのことじゃ。ただし霊公さまは、ワシにちっとも仕事をさせなんだ。政治をごっそり任さぬ殿様は、111億円だろうとワシにとっては無道じゃ。

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21

「これはまずいかも」と思わないようでは、その企ては成功しない。

さらに詳しく

22

斉の家老・陳成子(陳恒チンコウ)が、主君の簡公を殺した。私は身を清め、朝廷に上がって哀公さまに申し上げた。
「陳恒が主君を殺しました。どうか出兵して下さい。」

哀公
哀公「門閥家老三家に言え。」
孔子「私は家老の末席におりますから、言わずにおられぬのです。しかし殿がそう仰るとは。」

三家に出向いたが、断られた。
孔子「家老の末席だから、言わずにいられなかったのだがなあ。」


アルファー21 孔子 哀
アルファー:あ…これが例の、呉国没落後の左遷の話ですね。

孔子:そうじゃ。給料も貰えん上に、厄介払いされてしもうた。

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23

子路「主君に仕えるには?」
孔子「だますな。ただし間違いはずけずけ言え。」


アルファー22 孔子 楽
アルファー:先生、原文では「しかしてこれを犯せ」って、ドギツい言い方してますよね。

孔子:まあな。「犯」の原義は、人がケダ●ノをナニすることじゃ。ドギツい言い方であるには違いないのう。しかしご主君の悪いところもズケズケ言うというのは、それぐらい度胸のいる話じゃったのじゃよ。

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24

まともな貴族なら難しい話も理解するが、凡人は難しい話が分からない。

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25

昔は学びたいから学んだ。
今は職や見せ物のために学ぶ。

さらに詳しく

26

衛国の家老蘧伯玉キョハクギョクどのから使いが来たので、座布団を与えて聞いた。

「あのお方は何をしておられる?」
「ご自分を反省する毎日です。しかしまだまだだと仰います。」

使いが帰るのを見て思わずつぶやいた。
「出来た使いだ。」


アルファー6 孔子 喜
アルファー:先生、蘧伯玉さんって?

孔子:ワシが二度目以降の衛国滞在中、お屋敷でお世話になったご家老じゃ。一度目は顔濁鄒ダクスウ親分の屋敷に世話になって、政治工作をしでかして騒動になったが、蘧伯玉どのの屋敷では、おとなしく過ごしておった。少なくとも、衛国にちょっかいを出すようなことはしておらん。

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27

他人の仕事に出しゃばるな。


アルファー5-2 孔子 水面
アルファー:あ…これ論語泰伯篇の重複ですよね。

孔子:そうじゃ。呉国使節の接待の席に、子貢派の弟子も同席しておったのじゃな。

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28

できもしないことをベラベラしゃべるな。

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29

「君子の条件は三つだが、私にはできない。」

仁者には悩みがない。
知者には矛盾がない。
勇者には恐れがない。

子貢 遊説
子貢「…というように、先生は自ら我らに手本を示したものだ。」


アルファー2 孔子 水面キラキラ
アルファー:先生、儒者の説では、「夫子自らうなり」と解釈して、子貢さんが「先生は三つともお出来になっています」と言ったことになっていますが。

孔子:それは儒者のごますりじゃ。論語の時代では、「道」は”みち”か”導く”であっての。”言う”の意味が出来たのは、もっとあとのことじゃ。

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30

子貢 自慢
子貢が人物評論をしている。
孔子「子貢よ、お前は偉いんだな。私にはそんな暇はないよ。」


アルファー7 孔子 楽
アルファー:あ、これって論語の名言ですよね。「や賢なるかな。われはそれ、いとまあらず」って。子貢さん、自分の叱られ話をなんでわざわざ?

孔子:それは子貢に聞いてみないと分からぬがの。子貢の奴は、確かに「人をたくらぶ」(人を並べて批評する)くせがあったが、自分の間違いも、おとなしく聞き入れる度量があったのじゃよ。

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31

自分が無名なのは気にならない。
だが能がないのは困りものだ。

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32

誰かがべらべら喋っている。その前で。

ウソは相手にしない。
怪しい話は考えもしない。

かように聞くそばから見抜く人は、さても賢いものだよ。

さらに詳しく

33

微生畝ビセイボウ「お前は何をあれこれ言い回ってるんだ。それを口車とは言わんのか。」
孔子「口車ではない。ナニナニだけ、の専門バカになりたくないのだ。」


アルファー2 孔子 水面
アルファー:先生、微生畝さんって?

孔子:論語の時代の世間師じゃ。学者の中には、論語公冶長篇に見える微生高かという者もおるがの。どうでもいい奴じゃから、ワシも忘れてしもうた。

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34

千里の馬はその力があるという評判ではなく、実際に走った結果(徳=得)を讃えるのだ。


アルファー3 孔子 キメ2
アルファー:なるほどですねえ。「徳」はやっぱり「機能」のことで、人徳や道徳じゃないんですねえ。

孔子:そうじゃろう? 馬に道徳などあってたまるか。もよおせば、どこでも糞尿を垂れ流すのじゃぞ?

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35

ある人「やられたら恵みで返す、というのはどうでしょう。」
孔子「恵んでやる必要などない。やられたらやり返す。貰ったらお返しすればいい。」

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36

孔子「ワシは誰にも雇われないな。」
子貢「そんな馬鹿な。霊公さまはどうなんですか。」

孔子「はは、そうだな。誰にでも腰を低くして学び、やっと今の地位に立った。霊公さまというより、ワシは天に雇われたのだな。」


アルファー25 孔子 水面キラキラ
先生、「莫我知也夫」(我知らるることかな)って、漢文の主語-動詞の順がおかしくないですか?

孔子:いや、これでいいんじゃ。「知」には”知られる”という受け身の意味があるからの。それと句末の「夫」は、”ふーッ”というため息を意味するのじゃぞ、

アルファー20 孔子 居直り
アルファー:本当ですか?

孔子:本当じゃ。

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37

子路
子路は家老の季孫家に仕えている。その同僚の公伯寮が、あるじに子路の悪口を言ったらしい。その話を伝えに来た家老の子服景伯どのが言った。

「季孫家は公伯寮を、あまりよく思っていません。私が公伯寮をひっ捕らえて首を刎ね、市場に縛り付け、さらし者にしましょうか。」
孔子「かたじけないが、やめなされ。季孫のご当主もたいがいです。子路の力で季孫家がまともになるもならないも、運命です。公伯寮にどうこうできる話ではありません。」


アルファー 14 孔子 淡々
アルファー:ええーっ! 悪口言っただけで、首を刎ねられるんですか?!

孔子:当時の司法とはそういうものじゃ。成文法など無いも同然じゃから、貴族の勝手に出来たわけじゃな。公伯寮めもワシの弟子じゃが、どうもタチのよくない男じゃった。

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38

賢者は世間から隠れる。
その次に賢い者は嫌な村から出て行く。
その次は主人の顔色を見て出て行く。
その次は主人の言葉を聞いて出て行く。

これが出来るのは、七人だけだ。そう説教したら、土地や地位から逃げ出した者が七人いた。


アルファー2 孔子 悩み
アルファー:あのー先生、七人って?

孔子:忘れてしもうた。儒者はいろいろ想像しとるがな。まあ、誰でもええじゃろ。

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39

衛国に亡命中。楽器の一種(ケイ)を打っていた。

♪チン、カン、キン。チン、カン、キン。

あとで門番に聞いたら、もっこをかついだ人が聞き入っており、言ったらしい。「何かものを思っている音だな。」

♪チン、カン、キン。チン、カン、キン。

もっこの人が言った。
「どうも野暮だな、この音は。すさんだ音だな。不運も自分のせいだろうが。歌にある通り…」

水が深けりゃ押し渡れ
水が浅けりゃ裾からげ

「…が世を渡るコツなのにな。」と言って去ったという。

孔子「言いよるわ。だがそんなの覚悟の上だ。」


アルファー 15 孔子 キメ
アルファー:先生、儒者の中には、先生が楽器を打っている部屋の窓から、もっこの人が聞いていた、という人もいますが。

孔子:そんな不用心な事をワシがするものか。いつ暗殺者や間者が来てもおかしくないのじゃぞ? ちゃんと奥座敷で打っておったわい。

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40

子張
子張「殷王朝中興の祖、高宗武丁は、喪に服して三年ものを言わなかったそうですね。」
孔子「高宗だけじゃないぞ。昔の人は皆そうだったのだ。主君が亡くなったら、跡継ぎは喪に服して、家臣は自分で仕事を取り仕切り、三年間は宰相の指図に従ったものだ。」

さらに詳しく

41

為政者が普段から、戦場では勇敢に戦い、饑饉には率先して節約に努めて農業を発展させ、それで民を守ってやれば、民はちゃんと見ていて、言う通りに働いてくれるものだ。

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42

子路
子路が貴族の心得を質問したので答えた。

「ワシの言う通りに稽古と勉強に励み、自分の無知を知った者だ。」「それだけですか?」
「ワシの言う通りにして人を安心させることだ。」「それだけですか?」

孔子 激怒
孔子「だけとは何だ。ワシの教え通りにして貴族になり、いくさでは勇敢に戦い、普段はまじめな政治にに励んで、民の暮らしを立ててやる。聖天子のギョウシュンだって出来なかったことだぞ!」


論語 アルファー20 論語 孔子 せせら笑い
アルファー:先生、「てんし」って嘘っぱちでしたよね。

孔子:そうじゃ。詳細は論語述而篇34余話「周王朝の図々しさ」を読んでくれい。

さらに詳しく

43

幼なじみの原壤ゲンジョウが、うちに来いと言うので正装して出かけた。ところが片膝を立て、スネ毛丸出しで座ったまま迎えたので、言ってやった。

「小さい時は生意気で、大人になっても図々しく、ジジイになってもふてぶてしく、まだ生きていやがる。お前みたいなのを穀潰ごくつぶしと言うんだ!」

ついでに、頭に来たからスネに杖を一発くれてやった。


アルファー 16 孔子 水面
アルファー:先生、穀潰しは原文に「賊」とありますが…。

孔子:稲を中から食い荒らす、”ずいむし”の意味があるのじゃ。

さらに詳しく

孔子事蹟図解 原壤

『孔子事蹟図解』より 国文学研究資料館蔵

44

ケツ村から出てきた少年に、取り次ぎ役をやらせた。

ある人「あの子は少しはましになりましたか?」
孔子「いやあ、ねえ。仕事ぶりを見ていると、大人にくっついて、その真似ばかりする。大人ぶりたいだけですな。」


アルファー2 孔子 居直り
アルファー:先生、この言葉については、儒者が少年を礼の観点からいろいろと注釈を書いていますが。

孔子:ヒマな奴らじゃ。この話は、ただこれだけのことに過ぎぬ。論語の些細な言葉を大げさに言い回るのを、「微言大儀」と言うのじゃぞ。

さらに詳しく


アルファー18
アルファー:論語憲問篇はこれでおしまいです。みなさん、おつかれさまでした。

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