論語に見る弟子の言葉(その他の弟子):要約
アルファー:孔子先生の解説は、訳者が詳解を書き終えてから掲載します。しばらくお待ち下さい!
有若(有子、子有)
詳細は論語の人物:有若子有参照。
1
有先生のお説教。「孝行者は、不作法もしないし暴れて国も荒らさないのである。君子の基本は孝行である。君子は基本に努めるものである。だから君子にとって最上の徳である仁も、孝行が基本なのかも知れないと思われる。わかったかお前たち。」わかりません。(学而篇)
2
有先生のお説教。「作法の目的は、人間関係を和ませることにある。我々が模範とすべき古えの聖王も、作法を通じた和みをよしとされ、何事も、なごみを目指して作法に励んだ。しかしそれでは作法が無意味になる場合がある。和めばいいと考えるのがそれで、作法でけじめをつけなければ、作法に大した意味はなくなってしまう。」(学而篇)
3
有先生のお説教。「正直を貫くにも、正義に従っていれば、言ったことを実行できるのである。恭しさも作法にかなっていれば、恥ずかしい思いをしなくて済むのである。誰かとつるむにも、親族とつるむようにしていれば、たいそう仲むつまじく過ごせるのである。」(学而篇)
4
若殿の哀公「今年は不作じゃ。予算が足りぬ。どうしよう。」
有若「十分の一税*でどうでしょう。」
「十分の二取っても足りぬのじゃ。半分に出来るものか。」
「民が足りているなら、殿も足りるはず。逆もまたしかりでございますよ。」(顔淵篇)
*原文「徹」。周王朝伝統の税法で、廃れていたらしい。
曾参(曽子)
詳細は論語の人物:曽参子輿を参照。
1
曽先生のお説教。「我が輩は毎日三つのことを反省しておる。誰かの相談に乗ってやって、心にもないことを言わなかったか。友達づきあいで約束を破らなかったか。自分に出来もしない事を、偉そうに誰かに講釈しなかったか。お前らもそうでなくてはいかん。」
弟弟子一同「「「おまいう。」」」(学而篇)
2
カシコいボクちゃんたち儒者が、この世の行いに気を付ければ、下民どもは感じ入って、素直でおとなしくなるのであるぞよ。(学而篇)
3
曽子が死病にとりつかれた。弟子を呼んで言った。
「私の足を開け。手を開け。〔傷はあるか?〕『詩経』に言う…。」
恐れおののき、
慎み深く、
深い淵のほとりにいるように、
薄い氷の上をあるくように
〔父母から受けた身を傷付けてはならない〕
「…これでもうお役ご免だ、君たち!」(泰伯篇)
4
曽子が死病にとりつかれ、孟敬子が見舞いに来た。
曽子「鳥の死に際の声は哀しく、人の死に際の言葉はよい、という。よく聞け、君子が尊ぶべき道は三つだ…。」
外見を正しく振る舞えば、わがままとおごりから逃れる。
顔つきを正しく整えれば、人の信頼を得られる。
言葉を正しく述べれば、下品や非道から逃れる。
「…これさえ出来れば、お作法のこまごましたことなぞ、役目の者に任せればいい。」(泰伯篇)
5
曽子「能があっても能のない者に問い、多く知っていても少なくしか知らない者に問う。智恵を持っていても無いように振る舞い、道徳に満ちていても足らないように控える。こうして自分の殻を突破して成長した。昔我が友は、このような日々を過ごしていた。」(泰伯篇)
*顔回のこと、と古来言われる。ただし歳が離れすぎており、怪しい。
6
曽子「孤児となった幼い主君を守り、小さいながら国を切り盛りし、時代の転換期にも地位を奪えない人は君子か。君子である。」(泰伯篇)
7
士族は心広々と、また意志が強くなくてはならぬ。
その務めは重く、行くべき道は遠い。
仁の実践を自分の務めと心得る、たいそう重い務めだ。
死ぬまでそれをやり続ける、本当に遠いことだ。(泰伯篇)
8
君子は高尚な趣味の会で友人を集め、その交友で仁を養成する。(顔淵篇)
9
私はウスノロですから、分相応のことしか考えられません。(憲問篇)
10
堂々としているなあ、子張は。
こういう人物と一緒に、常時無差別の仁愛*は実践しがたい。(子張篇)
※本章は後世の創作なので、仁=仁愛と解せる。
11
魯の家老孟氏が、曽子の弟子陽膚を取り立てて検察官にするという。陽膚が師匠の曽子に相談した。
曽子「お歴々が無茶な政治をしたせいで、民はどんどん逃げ散ってしまい、税も納めぬ。だがお前は逃亡や脱税の情報を掴んでも、犯人を哀れんで、手柄のタネだと喜ぶような真似をせぬように。」(子張篇)