読者諸賢へ:
訳文や原文の真贋判定を含め、全ての記述は暫定的であることにご留意下さい。研究の宿命として、勘違いや調査不足により、また一からやり直しの繰り返しだからです。誤りにお気づきの方は、是非ともご教示下さい。
論語詳解435陽貨篇第十七(1)陽貨孔子に*
論語陽貨篇(1)要約:孔子先生のライバル・陽貨。動乱の時代の中で、ほぼ同じ道を歩んだ人物。同志として孔子先生を招こうとしますが、似た者同士は反発するのか、先生は避けて通ります。無理やり対談して勧誘する陽貨、という作り話。 論語:原文・白文・...
論語詳解436陽貨篇第十七(2)性相近き也’
論語陽貨篇(2)要約:人は生まれつきは互いに似ていても、その後の習慣が違いを作る、と孔子先生。同じような言葉は論語の他の章にもあります。人が後から生まれた人にできるのは、せいぜい教育ぐらいしかないのだ、というつぶやき。 (検証・解説・余話の...
論語詳解437陽貨篇第十七(3)唯上知と下愚は*
論語陽貨篇(3)要約:とびきりの賢者は賢者のまま変わらない。バカに付ける薬はない、と孔子先生。人は習い性によってどうとでも変われると前章で言ったのですが、両極端に限ると、これはもう変わらないと。そうかもしれません。 論語:原文・白文・書き下...
論語詳解438陽貨篇第十七(4)子武城にゆく*
論語陽貨篇(4)要約:遠い武城の代官となった弟子の子游シユウ。訪ねてきた孔子先生を迎えるに当たって、ヤラセの音楽で演出します。先生はヤラセと気付いたでしょうが、孫のように若い子游が可愛かったのか、とがめ立てしませんでした。 論語:原文・白文...
論語詳解439陽貨篇第十七(5)公山弗擾費を’
論語陽貨篇(5)要約:風雲急を告げる乱世の春秋時代。孔子先生の国・魯国でも反乱が起きます。その頭目・公山弗擾フツジョウが、先生を招き、先生は応じようとします。子路が血相を変えていさまめした、という話ですが、果たして史実でしょうか。 論語:原...
論語詳解440陽貨篇第十七(6)子張仁を問う’
論語陽貨篇(6)要約:就職が気になる子張。仁とは何ですか、と質問したら、五つのことに気を付けなさいと孔子先生。仕事は丁寧、下には寛大、ウソをつかずまじめに働き、恵み深ければ為政者として仁と言えるよと。 (検証・解説・余話の無い章は未改訂) ...
論語詳解441陽貨篇第十七(7)仏肸(フツキツ)よぶ*
論語陽貨篇(7)要約:西北の大国・晋で謀反が勃発。その首謀者である仏肸フツキツが、孔子先生を招きます。応じて行こうとする先生を、子路があきれ顔で止めました、というお話。ただし史実かどうかは、何かと事情が入り組んでいるようで…。 論語:原文・...
論語詳解442陽貨篇第十七(8)由やなんじ六言*
論語陽貨篇(8)要約:これ子路や、ワシが教えた六つの徳目も、学びがないと台無しになる。仁の情けでさえ弊害があるのじゃぞ。孔子先生があっさりそう言います。まるで先生の教説をぶち壊しにするようなこのお話。ホンモノでしょうか? 論語:原文・白文・...
論語詳解443陽貨篇第十七(9)小子なんぞ詩を’
論語陽貨篇(9)要約:諸君、うたを学びたまえ! うたはいいぞ。世界が生き生きと見えるし友達も出来る。やさしい心と教養が身に付き、おまけに鳥や花の名前が覚わる、と孔子先生。論語陽貨篇の中では数少ない、孔子先生の肉声。 (検証・解説・余話の無い...
論語詳解444陽貨篇第十七(10)子伯魚に謂う’
論語陽貨篇(9)要約:孔子先生が一人息子にお説教。詩を学ばないと人情の機微が分からない。それは顔を塀に向けて、じっと見つめているようなものだぞ、と。おしゃべりな先生でしたが、家族の話はほとんどしません。珍しい一節。 論語:原文・白文・書き下...
論語詳解445陽貨篇第十七(11)礼といい礼と’
論語陽貨篇(10)要約:高価な贈り物や、礼服で着飾っても、心がこもらなければお作法に意味はない。鐘や太鼓を叩くだけでは、音楽の本当の効果は分からない、と孔子先生。文法破りで言葉の息づかいが感じられる一節。 論語:原文・白文・書き下し 原文・...
論語詳解446陽貨篇第十七(12)色きびしくして’
論語陽貨篇(11)要約:いつも不機嫌な顔の人、まわりにいませんか? そんな奴はこそ泥同然だと孔子先生。自分に自信のある人=徳のある人は、空威張りする必要がありませんから、いかついわけがないのです。よく思い当たる一節。 論語:原文・白文・書き...
論語詳解447陽貨篇第十七(13)郷原は徳の’
論語陽貨篇(13)要約:頑固オヤジは絶滅種ですが、論語の時代の田舎では、人格者としてもてはやされました。それを郷原といい、孔子先生は人格を損なうニセ人徳者だと非難します。狭い世間で通用するのは、必ずしも善ではないのだと。 論語:原文・白文・...
論語詳解448陽貨篇第十七(14)道に聞きて’
論語陽貨篇(14)要約:受け売りはいかん。知識が無駄になる、と孔子先生。記録上、中国初の学校を開いた先生とその弟子は、知識の貴重さを分かっていました。知識は論語時代の身分差別を乗り越える、重要な武器だったからです。 論語:原文・白文・書き下...
論語詳解449陽貨篇第十七(15)鄙夫はともに’
論語陽貨篇(15)要約:性根の卑しい男と働くのはうんざりする。職を失いやしないかとビクビクしているから、と孔子先生。しかし下の句は、そんな奴はどんな悪だくみや謀反でもしかねない、と先生が言ったと儒者は言っていますが…。 論語:原文・白文・書...
論語詳解450陽貨篇第十七(16)昔は民に三疾*
論語陽貨篇(16)要約:昔はよかった。やり過ぎの人々にさえ、よいところもあったとニセ孔子先生。いつの世も、若者をうんざりさせる「昔は良かったばなし」ですが、先生がこんな事を言ったのでしょうか? 史実性に疑問のある一節。 論語:原文・白文・書...
論語詳解451陽貨篇第十七(17)巧言令色*
論語陽貨篇(17)要約:おべっかや作り笑顔する奴には気を付けろ。論語の冒頭、学而篇にあった言葉が再登場します。 (検証・解説・余話の無い章は未改訂) 論語:原文・白文・書き下し 原文・白文 子曰、「巧言令色、鮮矣仁。」 *論語学而篇3と同文...
論語詳解452陽貨篇第十七(18)紫の朱を奪うを*
論語陽貨篇(18)要約:口車に載せられて、国家が滅ぶことはあります。ニセ孔子先生はそれを嫌いました。しかし紫色が嫌い、鄭国の民謡が嫌いと言われても、はあそうですかと聞くしかありません。先生の趣味の話でしょうか。 (検証・解説・余話の無い章は...
論語詳解453陽貨篇第十七(19)われ言う無き’
論語陽貨篇(19)要約:もう何も言う気が失せた。これもあるいは、孔子先生の遺言と言えるかも知れません。驚く子貢に、天は何も言わずとも万物をみそなわしている。私ごときが何を言えると言うのかね、と事実を淡々と語るのでした。 論語:原文・白文・書...
論語詳解454陽貨篇第十七(20)孺悲孔子に°
論語陽貨篇(20)要約:仮病を使って来客を断った孔子先生。さらに琴を弾いて聞こえるように歌い、客に追い打ちをかけました。孔子様ともあろうお人が、そんな意地悪をするはずがない、と古来儒者は弁護の言い訳に一生懸命ですが…。 論語:原文・白文・書...
論語詳解455陽貨篇第十七(21)宰我問う三年*
論語陽貨篇(21)要約:親に対する、三年の喪が長すぎる、と弟子の宰我。一年でいいと言う宰我に、孔子先生はお前はそれで平気かと尋ねます。平気だというので「じゃあそうしなさい」。親の愛が薄かったのだな、と先生は思うのでした。 論語:原文・白文・...
論語詳解456陽貨篇第十七(22)飽くまで食らい’
論語陽貨篇(22)要約:人間、安全と衣食住が満たされると、次なる大敵は退屈になります。孔子先生も同様で、何もせずぼんやりすることに耐えられない人でした。「バクチでも張った方がまだましじゃ!」とマジでバクチを勧めた一節。 (検証・解説・余話の...
論語詳解457陽貨篇第十七(23)君子勇を’
論語陽貨篇(23)要約:六芸(リクゲイ)科目は勇気のしるし。子路が、君子は勇気を尊ぶかとたずねます。孔子先生は勇気より大事な価値観があると回答します。それは筋目正しさで、筋の通らない勇気は謀反や強盗同然だと言うのでした。 論語:原文・白文・...
論語詳解458陽貨篇第十七(24)君子またにくむ*
論語陽貨篇(24)要約:食事どきに、不潔な話をして得意がる奴、いませんか? 人を不愉快にさせながら、正直者だと開き直っています。間違いなく医療の対象になる精神的病人ですが、そんな人は孔子先生も嫌いでした、という一節。 論語:原文・白文・書き...
論語詳解459陽貨篇第十七(25)唯女子と小人は*
論語陽貨篇(25)要約:女性と無教養な人は養うのが難しい。親しくすればつけあがり、放置すると怨むから、と孔子先生。女子でも小人でもない人はめったにいませんから、これは孔子先生の人間嫌いを示すかも知れない、と思える一節。 (検証・解説・余話の...
論語詳解460陽貨篇第十七(26)年四十にして*
論語陽貨篇(26)要約:四十過ぎても人に嫌われるようであれば、その人物はおしまいだ、と孔子先生。しかし先生自身はプラス十歳の五十代で、国中から嫌われて追い出されました。そのあたりをどう整合性を付けるのでしょう。 論語:原文・白文・書き下し ...