読者諸賢へ:
訳文や原文の真贋判定を含め、全ての記述は暫定的であることにご留意下さい。研究の宿命として、勘違いや調査不足により、また一からやり直しの繰り返しだからです。誤りにお気づきの方は、是非ともご教示下さい。
論語詳解148述而篇第七(1)述べて作らず*
論語述而篇(1)要約:後世の創作。過去の伝承を忠実に後世に伝え、自分で創作はせず、過去を信じて好む。これで尊敬する偉人と肩を並べられる、とニセ孔子先生。過去をねじ曲げ、自分で創作し、自分だけを信じて好んだ儒者の作り話。 論語:原文・書き下し...
論語詳解149述而篇第七(2)黙してこれしるし°
論語述而篇(2)要約:後世の創作の可能性あり。黙って古記録を後世に伝え、嫌がらず勉強を続け、人に教え続けても疲れない。こんなことは私には簡単だ、と孔子先生。文字史的には偽作の疑いが強いのですが、このようなことを言った可能性はあります。 論語...
論語詳解150述而篇第七(3)徳のおさまらざる’
論語述而篇(3)要約:こんにち聖人と崇められている孔子先生ですが、自分ではまだまだ至らない人間だと告白した章。人を圧倒できる人格、学問、正義の実践、不善の根絶。どれも出来ていないと言います。孔子先生でさえそうなのですね。 論語:原文・書き下...
論語詳解151述而篇第七(4)子の燕居するは*
論語述而篇(4)要約:後世の創作。おそらく儒教の礼法集『小載礼記』と同時期に作られ、前漢の儒者によって論語に割り込ませたもの。孔子先生はひまで居るときも、のびやかで余裕しゃくしゃくだった、という作り話。 論語:原文・書き下し 原文(唐開成石...
論語詳解152述而篇第七(5)甚だしいかな吾が衰’
論語述而篇(5)要約:文字史からは史実を疑えませんが、先秦両漢に誰も引用せず、文字の用例からも史実性が疑わしい話。私も歳を取って衰えて、夢に周公を見なくなってしまったと歎く孔子先生。周公とは立場も志望も違います。 論語:原文・書き下し 原文...
論語詳解153述而篇第七(6)道に志し徳に拠り*
論語述而篇(6)要約:後世の創作。道徳にこころざし、道徳に行動原則を置き、いつも情け深さを心に抱き、孔子塾で教わる技術で暇つぶしをせよ、とニセ孔子先生。春秋時代の「芸」に”技術”の語義は無く、はじまりは戦国時代でした。 論語:原文・書き下し...
論語詳解154述而篇第七(7)束脩を行うより以上*
論語述而篇(7)要約:論語の時代、入門希望者は束脩という干し肉の束を入門料として師匠に差し出し、この作法を守る者なら、誰でも教えて上げるよ、と孔子先生。おそらく史実ですが、ただし束脩は干し肉の束などではありません。 論語:原文・書き下し 原...
論語詳解155述而篇第七(8)憤らざらば啓かず*
論語述而篇(8)要約:後世の創作。自分から学ぼうとして吹き上がらないと教えない。言いたい事を言葉に出来ないほどでないと教えない。ヒントを一つ与えて三つを悟らないなら二度と教えない。そんなので塾が成り立つのでしょうか。 論語:原文・書き下し ...
論語詳解156述而篇第七(9)子、喪有る者の側に°
論語述而篇(9)要約:まともな人なら、肉親を失って悲しんでいる人の横で、ガツガツ食ったりはしません。戦国末期の儒者には、そういう振る舞いに及ぶ者もいましたが、孔子先生はそうでない普通の常識人だったという、弟子の回想。 論語:原文・書き下し ...
論語詳解157述而篇第七(10)用いられば則ち*
論語述而篇(10)要約:後世の創作。後世のひょろひょろ儒者が、孔子の弟子、顔淵を神格化し、一番弟子の子路を乱暴者とおとしめます。素手で虎になぐりかかり、大河に足を突っ込んでジャブジャブ渡るような乱暴者は嫌いだ、と。 論語:原文・書き下し 原...
論語詳解158述而篇第七(11)富にして求む’
論語述而篇(11)要約:孔子先生を世間に疎い学者バカと見るのは間違いで、革命家ですから過激ではあっても、人の持つ欲望には人並みに敏感でした。本章は長い間誤読され、先生をまるで金仏のように思わせてしまった罪な一節。 論語:原文・書き下し 原文...
論語詳解159述而篇第七(12)子の慎む所は’
論語述而篇(12)要約:孔子先生は、神事の前のみそぎ、戦争、疫病についてはとりわけ慎重だったと言います。ですが先生は神など信じておらず、戦争をむしろ煽り、先生と疫病については全ての史料が沈黙しています。 論語:原文・書き下し 原文(唐開成石...
論語詳解160述而篇第七(13)子、斉にありて韶*
論語述而篇(13)要約:後世の創作。あの孔子先生が感動の余り、三ヶ月も食事の味が分からなかったほどの素晴らしい音楽。それを聞きたいなら、必要経費込みで我ら儒者にお金を出しなさい。そもそもその楽曲を、孔子先生は知りません。 論語:原文・書き下...
論語詳解161述而篇第七(14)夫子衛君をたすけ’
論語述而篇(14)要約:亡命中の孔子先生。滞在国のお殿様に、お家争いのきざしが見えます。物騒な弟子を連れている先生ですから、物騒な弟子自身がどっちに味方するか相談します。対して先生、「知るか。ほっとけ。」と突き放した話。 論語:原文・書き下...
論語詳解162述而篇第七(15)疏食をくらい*
論語述而篇(15)要約:後世の創作。飢えない程度の食事を摂り、水を飲んでお腹が膨れたらごろんとひじまくら。人生それで十分だ、悪事を働いてまで贅沢しようと思わない。孔子先生より老子先生が言いそうな話です。 論語:原文・書き下し 原文(唐開成石...
論語詳解163述而篇第七(16)我に数年を加え*
論語述而篇(16)要約:後世の創作。全くのデタラメで、当たるも八卦、当たらぬも八卦。八卦良いでお相撲は始まりますが、八卦の占いが始まったのは早くとも戦国時代のこと。孔子先生がそんなものを、一生懸命学んだはずがありません。 論語:原文・書き下...
論語詳解164述而篇第七(17)子の雅言する所は*
論語述而篇(17)要約:後世の創作。孔子先生は授業をみやびな古語で語りました、ポエムや古典の講義もそうで、礼儀作法の号令もみやびな言葉で言いました、と。ですがその古典は後世の偽作説が強く、ポエムにも疑わしい点が。 論語:原文・書き下し 原文...
論語詳解165述而篇第七(18)葉公孔子を子路に’
論語述而篇(18)要約:語法的に一部分は後世の創作。遠い南方の大国・楚は、周王朝同様に諸侯の連合国です。その一諸侯への使い出た弟子の子路は、孔子先生をうまく説明できませんでした。先生は私をこのように紹介して欲しかった、と自分語りをします。 ...
論語詳解166述而篇第七(19)我は生まれて°
論語述而篇(19)要約:孔子先生から後進への励まし。私だって、生まれつき博識だったわけじゃない。好んで貪欲に過去から学び、知性を鍛えようと自分から研鑽を積んで今のようになったんだ、と。確かにその通りには違いありません。 論語:原文・書き下し...
論語詳解167述而篇第七(20)子は怪力乱神を’
論語述而篇(20)要約:孔子先生は古代人には珍しく、無神論に近い立場を取りました。極めて合理的な精神で、神を語らなかっただけでなく、怪しげな化け物ばなしやあり得ない怪力、反乱などの秩序崩壊も、弟子に説教しませんでした。 論語:原文・書き下し...
論語詳解168述而篇第七(21)三人行かば必ず*
論語述而篇(21)要約:教師と反面教師はどこにでも居る。賢い人に会ったら真似をしろ。バカに会ったら真似するな、と従来読まれてきたこの章。しかし世の中、愚か者はどこにでもいますが、優れ者はなかなかいないもので…。 論語:原文・書き下し 原文(...
論語詳解169述而篇第七(22)天、徳をわれに’
論語述而篇(22)要約:孔子先生の所に隣国の将軍が暴れ込んできて、先生が言い返したお話。なぜ暴れ込んだのか、儒者にはさっぱり分からないので、将軍を極悪人に仕立ててしまいました。もちろんウソでむしろ良心的な人でした。 論語:原文・書き下し 原...
論語詳解170述而篇第七(23)二三子我を以て’
論語述而篇(23)要約:弟子の諸君に隠し事はしない、いつも君たちと共にある、それが私だ、と言う孔子先生。老子先生は知る者は言わず、言う者は知らずと言いましたが、知る孔子先生には、隠し事をする動機が始めからありません。 論語:原文・書き下し ...
論語詳解171述而篇第七(24)子は四つの教えを*
論語述而篇(24)要約:後世の創作。孔子先生についてのごく短い回想。例によって「はあそうですか」と読み飛ばしても構わないお話。それにしても、どうせでっち上げるなら、もう少し面白い回想を作れなかったんでしょうかね。 論語:原文・書き下し 原文...
論語詳解172述而篇第七(25)聖人は吾得て之を*
論語述而篇(25)要約:一部は後世の創作。春秋時代の漢文で言う聖人は、神に近い聖者ではありません。孔子先生は後世聖人と言われましたが、それがキリスト教のような意味になったのは、儒者の飯のタネにするため、カナブツにしたからです。 論語:原文・...
論語詳解173述而篇第七(26)子、釣りて綱せず’
論語述而篇(26)要約:弟子の回想。孔子先生は、一本釣りはしたが、はえ縄でごっそり魚を取り尽くすようなことはしなかった。矢に紐を結わえ付けて確実に飛ぶ鳥を絡め取ったが、巣で休んでいる鳥は射なかった。史実性にはやや疑いが。 論語:原文・書き下...
論語詳解174述而篇第七(27)けだし知らずして’
論語述而篇(27)要約:知る者は言わず言う者は知らずと老子先生も言いました。孔子先生も同感で、知ったかぶりをした本を読んでうんざりします。ワシはこんなことしないぞ、人の話もきちんと吟味してから書き記しているのだから。 論語:原文・書き下し ...
論語詳解175述而篇第七(28)互郷はともに*
論語述而篇(28)要約:後世の創作。口に出来ないような村から少年が来て、孔子先生に入門を願いましたが、弟子は汚らわしいと言って取り次ぎません。様子に気付いた先生が、手助けしてやろうじゃないかと弟子を諭したという伝説。 論語:原文・書き下し ...
論語詳解176述而篇第七(29)仁遠からんかな’
論語述而篇(29)要約:仁とは孔子先生の生前、弟子が目指すべき貴族の技能教養を身につけたさまでした。その習得の始まりは、貴族になりたいと強く願うこと。そう志さねば勉強も稽古も意味が無い、というお話。 論語:原文・書き下し 原文(唐開成石経)...
論語詳解177述而篇第七(30)陳の司敗問う*
論語述而篇(30)要約:後世の創作。華南を訪れた孔子先生に、地元の家老が、魯国の殿様の破倫を問い詰めます。はぐらかした先生を、家老は嘆き、それを伝えた先生は、自分を反省する材料として素直に聞いたという作り話。 論語:原文・書き下し 原文(唐...
論語詳解178述而篇第七(31)子、人と歌うて’
論語述而篇(31)要約:孔子先生は誰かと歌ったとき、うまく歌えたと思えたときには、相手にもう一度繰り返してもらい、和音で共に歌いました、という弟子による思い出話。ただそれだけのことで、何かのお説教ではありません。 論語:原文・書き下し 原文...
論語詳解179述而篇第七(32)文莫はなお人の’
論語述而篇(32)要約:文莫とは論語の時代、うわべを取り繕い本心を誤魔化すことでした。人並みに文莫するよと白状する孔子先生。ですが後世の儒者は文莫の意味が分からず、出任せを世間に言いふらし、つまり文莫したのです。 論語:原文・書き下し 原文...
論語詳解180述而篇第七(33)聖と仁のごとき*
論語述而篇(33)要約:後世の創作。自分はまだ至らないという、孔子先生の自分語りと、付け足しの弟子のお追従。まるで戦場で壊れた飛行機をかき集めて、ニコイチ・サンコイチで飛べるのをでっち上げたようなふざけた章。 論語:原文・書き下し 原文(唐...
論語詳解181述而篇第七(34)子やみてあつし’
論語述而篇(34)要約:病気が重くなった孔子先生。弟子の子路が真っ青になって、神様に願掛けをしようとします。カミサマのたぐいを一切信じていない先生、そんなもんで治るなら、とっくに自分でやっているよ、とたしなめました。 論語:原文・書き下し ...
論語詳解182述而篇第七(35)奢らば則ち不遜’
論語述而篇(35)要約:人生山あり谷あり。人は余裕が出来ると思い上がり、余裕が無くなると意固地になる。思い上がるよりは、意固地の方がいいと孔子先生。もちろん儒者にとっても、思い上がった他人は嫌いです。 論語:原文・書き下し 原文(唐開成石経...
論語詳解183述而篇第七(36)君子はやわらかに*
論語述而篇(36)要約:後世の創作。ご立派な君子様は、いつも穏やかで余裕綽々だが、下らない小人どもは、いつもビクビクと怯えている、とニセ孔子先生。小人々々とバカにされて、一説に三千もの小人が入門を願う道理がありません。 論語:原文・書き下し...
論語詳解184述而篇第七(37)温かにしてはげし*
論語述而篇(37)要約:後世の創作。温和だが厳格に、威厳は保ってもガミガミとうるさくなく、腰が低くて、そばに居ると安心されるようになりなさい。その通りですが、論語の時代の中国語ではありません。 論語:原文・書き下し 原文(唐開成石経) 子温...