
論語詳解461微子篇第十八(1)微子は之を去り
論語微子篇(1)要約:付け足し感の強い論語微子篇。その冒頭のこの章も、取って付けたような言葉。むかし殷周革命の際、暴君の紂王に対して、三人の「仁者」はどう身を処したか? その伝説自体が、孔子先生在世当時の話かには疑問が。
中国を好くにせよ、嫌うにせよ、より明らかに知ることは、いいことだ。My journey has to go on with you.
読者諸賢へ:
訳文や原文の真贋判定を含め、全ての記述は暫定的であることにご留意下さい。研究の宿命として、勘違いや調査不足により、また一からやり直しの繰り返しだからです。誤りにお気づきの方は、是非ともご教示下さい。
論語微子篇(1)要約:付け足し感の強い論語微子篇。その冒頭のこの章も、取って付けたような言葉。むかし殷周革命の際、暴君の紂王に対して、三人の「仁者」はどう身を処したか? その伝説自体が、孔子先生在世当時の話かには疑問が。
論語微子篇(2)要約:論語には珍しく、孔子先生も弟子も全く出てこない章。むかし魯の国に正直者の家老がいて、お目付役にぴったりでしたが、それゆえに三度クビになったというお話。でもサバサバしている所が、論語微子篇らしい一節。
論語微子篇(3)要約:三十代半ばで斉に一時亡命した孔子先生。殿様の景公から、安めの待遇で雇ってやろうと言われます。先生はそれを断ったのかどうか。いずれにせよ景公は家臣の反対にあい、先生を雇うことを諦めたのでした。
論語微子篇(4)要約:孔子先生が魯国の政権中枢にいた時、それが目障りだった隣国の斉は、女楽団を魯国に送ってその政治を退廃させようとしましたとさ、という昔話。本当とは信じられない点があり、むしろおとぎ話と言うべきかも。
論語微子篇(5)要約:「狂」とは頭のおかしな人ではなく、悟りきって常人には理解できない人をも指します。放浪中にそんな狂人の男と出会った孔子先生。勝てるに足る人物だと思って追い掛けましたが、男は逃げてしまいました。
論語微子篇(6)要約:放浪中、畑を耕す隠者に出会った孔子先生とその一行。先生が子路に渡し場を尋ねさせると、「孔子センセイほどもの知りなら、渡し場ぐらい知っているじゃろ」と冷たく答えました、という一節。
論語微子篇(7)要約:隠者の一人に冷たくあしらわれた子路は、もう一人に渡し場を尋ねます。その人物は似たようなことを子路に聞きながら、孔子先生への当てこすりを言ってやはり教えてくれません。ただのイジワルなのでしょうか。
論語微子篇(8)要約:隠者の言葉を孔子先生に伝える子路。先生はがっかりして、「人と共に生きていくしかないではないか。世を捨てて隠者の群れに入るわけにはいかないのだ」と心情を吐露します。創作としても、よくできた一節。
論語微子篇(9)要約:孔子先生の一行とはぐれてしまった弟子の子路。追い掛ける途中で老人に出会い、先生を見ませんでしたかと問います。汗をかいて働きもしない人が何で先生かね、と言いつつも、老人は子路をもてなすのでした。
論語微子篇(10)要約:隠者の家で歓待された子路。翌日孔子先生に追いつき、いきさつを語ります。ひとかどの人物と思った先生は、子路に伝言を伝えさせます。しかし隠者はすでに立ち去り、子路は子供たちに伝言を託すのでした。
論語微子篇(11)要約:昔の隠者風味な賢者たちについて、孔子先生が論評します。ああだこうだ言ったあげく、私は誰の真似もしないと先生は言います。ではどうするか、は書いてありません。論語の中でも無責任な一節。
論語微子篇(12)要約:殷が滅んだ前後、その文化の一端を伝える楽師たちが、中国のあちこちに散り散りになって逃げたことを伝える話。孔子先生も弟子も誰一人出てこない、論語でも珍しい一節。
論語微子篇(13)要約:孔子先生の国、魯国は、周王朝開国の元勲だった周公旦が始祖です。その息子伯禽が魯へ赴く際、周公がさとしたお説教。身内やなじみを大事にせよ、家臣を腐らせるな、そして家臣に万能を求めるなと。
論語微子篇(14)要約:周には八人の立派な人物が今した、というお話で、孔子先生が言ったとも何とも書いていません。その八人についても古来誰だか分からないので、どこか妖怪話めいた伝説まで作られるに至りました。